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エアコンドレンの壁内配管変更

2011年来お世話になっている歯科クリニックの壁掛け型エアコンですが,今回,壁を開口して排水塩ビ管の経路を変更しました。もっとも僕がやった訳ではなく,設備も内装もできるという珍しい職人さんにやってもらいました。

PKFY-P22BM-E1,三菱電機ビル用マルチエアコンで2007年ごろの製品です。

何度も不満を言っていますが,三菱電機製なのに「霧ヶ峰」のような分かりやすい設計ではありません。特に問題なのは,ドレンパンの右側にしか排水口がないこと。一般的に,壁掛けのエアコンのドレンパンには左右に排水口があり,使わないほうにゴム栓をします。

この歯科クリニックでは,増築部分以外はすべて隠蔽配管されています。この場合,壁の開口部は左にありますから,ドレンパンの左にある排水口にドレンホースをつなぎたいです。ところが左に排水口がありません。当然右側からドレンホースを這わせることになります。他の配管配線を押しのけてもドレンホースに勾配を持たせたいです。現実には,この配管用の空間がとても狭いうえ,冷媒配管とFケーブルと3本の太い信号線と共同利用しているため,思ったようになりません。

そんなわけで,ドレンホースの中で水がスライム化して流れが悪くなり,冷房時の排水が追い付かず,「水漏れするからエアコンクリーニング」を繰り返してきました。

院長のS様には,問題は排水経路にあるので改修工事が必要だと説明してきました。それを聞き入れて下さって,4年前に1番診察室の排水経路を変更されました。2番診察室側から壁を開いて改修工事したそうです。壁紙は同じものが用意できたらしく,どの部分を工事したか全くわからない仕上がりです。

昨年6月に,水漏れする3番診察室と,汚れていた4番,1番の分を洗いました。汚れなくても水漏れするという感じが視覚的にわかると思うので,その時の写真を貼ります。

水漏れするという3番のエアコンは10か月前に洗ってあります。洗浄前のカットです。熱交換器と壁側ボディ。外したパーツ。きれいでしょう?排水がよどむなんて考えられません。

1番診察室は水漏れしなくなったので,3シーズン経っています。内部はかなり汚れています。ドレンパンの排水口付近にはドロドロしたものが流れた跡があります。それでも右から排水できるよう経路を変えてあるので,排水がスムーズになり,水漏れは起こりません。

この状況を確認したSさんから,他の3つの診察室の排水経路変更と壁紙復元をお願いしたいので,見積もりを作ってほしいと言われました。その1番を変えてくれた業者に頼むのが良いと思うのですが,何か事情があるようです。僕としては,壁を開いて排水経路変更はイメージできるので,内装やさんと組めばよいと考えました。そしてひらめいたんです。以前現場でお会いしたKさんは,設備工事と内装工事ができる!

Sさんにはそういう職人さんがいるので,相談してみますねとお話しして,Kさんには,早速写真を送って事情を説明しました。年が明けたらと思っていたらコロナ騒ぎになって浮足立ってしまいました。4月末になり,これは暑くなってエアコンを使いだしたら大変だ,とKさんに再度見積もりをお願いします。連休があるので,2日間の工事も可能なはず。

見積もりが出て,S院長に電話します。日程・金額OKです。工事費には少し足して,僕が手元として行けるようにしてもらいました。わかっている人がいたほうが良いと快くお許しが出ました。壁紙は違いが目立たないものにしてほしいとのことです。当然のご要望です。承知しました。

昨日から工事を始めました。2番,3番,4番と壁開口,配管変更,ボード復元,パテうめ。柱や間柱を一部切り取ることになってしまったのですが,壁の中で解決し,工事を最小限に納めることを優先しました。

2番診察室の分は,エアコンの下を開口。20ミリを予想していたら,25ミリのVP菅でした。

3番診察室は,裏側のストックルーム側から開口。

4番診察室の場合は,向こうは外壁ですので,やはりエアコンの下を開きます。

当初壁を開く部分の床に1100のマスカを貼ったのですが,Kさんが床に2600mmの養生を全部に敷き詰めました。そして作業空間を仕切るように天井から2600のマスカを垂らします。やはり養生は大切ですね。

朝到着時にはあと少しでしたが,隣にあるホームセンター駐車場に入ったらメーターが回りました。少々難がありますが,元気に走っているサンバーTV1。タイミングベルトは8万キロ台で交換済みです。

パテを3回塗って一晩寝かしました。今日は朝1番にパテの表面にサンドペーパーをかけています。

在庫の壁紙を持ってきてもらったので,違います。多分既存は1000番クロスだろうということです。こてで塗った塗り壁のように見える壁紙で,エッジが立ち立体感のある壁紙です。柄を取るか色を取るかで,色を取りました。面積が少ないので手作業で糊を塗っています。壁紙には品番とロット名があり,品番だけでなくロットも合わせるんだそうです。

壁紙復元は,奥からやってもらいました。4番診察室。

3番の裏面。ストックルーム側。ここは剥がしたものから切り取って貼りなおしています。

2番診察室。

模様が違うのですが,室内機より少し広い幅で巾木まで張り替えることで,違和感を軽減しています。S院長が一目見て「これなら目立たないです。全然心配ないです」と言って下さいました。

工事中に通水テストは済ませましたが,改めて電源を入れて19度強風で3台とも冷房試運転。外の雨水桝に来ているドレン排水を確認できました。これで今年は水漏れの心配なく使っていただけることでしょう。S様,K様,お世話になりました。課題が解決できてほっとしています。ありがとうございました。

ryo:
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