先日の地震で,母が住んでいる家が「古い」でなく「ぼろい」家になってしまいました。問題の原因は2階屋根にある温水器と思われます。もう使っていないのですが,屋根の庇が真ん中に近い部分で幾らか沈んでいるため,その部分の雨どいから直接1階屋根に雨が落ちます。トタン葺きのためとても大きな音がしますし,トタンの返し部分から侵入する水分が屋根内部の材木を腐らせています。
ペンキを塗ったり,軒天を張り替えたりしてきましたが,そういう対症療法では追いつけない感じです。母は大工さんに頼んだ方がいいのでは?というのですが,やってみることにしました。
ほぼ全部の材料を買ってビバホーム高崎店から安中市松井田の母の家まで運んだのですが,4m近くある材木もあるのでなかなか大変。こういう時はサンバーみたいなバンではなく,軽トラックがいいですね。
屋根は奥行きが1650ミリ,幅が南の面で9500ミリ,角を曲がって3500ミリ。
サンダーに取り付けた切削砥石でトタンをカット。全部剥がします。軒天の崩れた部分から木くずが落ちてくる原因が分かりました。杉皮が敷きつめてあったんです。そしてトタンがしっかり機能していた場所は,杉皮も良い状態です。
剥がしたトタン板はかなりの量になりました。フレコンバックに積めて弟が運んだのですが,クリーンセンターの方が,向かいのスクラップの会社に持って行けば売れるかも,と教えてくれたので持って行ったそうです。275円になりました!
全て剥がすと,野地板だけでなく垂木も腐っている部分があります。
垂木は添え木を当てて継ぎ足し,野地板も傷んだ部分を張り替えます。予想よりも腐食の範囲が少なかったので,用意した材料がかなり余って,ビバホームに返品出来ました。店員さんが親切に対応してくれて,8,500円ほど戻りました。その分で庭に置く飛び石代わりの「高圧平板」11枚が買えました(笑。
防水シートって思ったより安いんですね。1巻き21メートルで3500円ぐらいだったでしょか。ちょっと足りないと考えて切り売りで5メートル追加。3メートルぐらい残ったけど,これは返品できません。
今回使ったのはガルバリウム鋼板の角波板。これは最初の1枚目と,その後の精密な重ねが大事なんですね。意外に難しい作業です。特にこういう既存の建築で相手がゆがんでいる場合は厳しいです。道糸を張ってやりましたが,1枚で3ミリぐらいずれて,軒先がのこぎり状です(照。西側はかなりいい感じです。建具職人Tさんの言葉を思い出します。「仕事は終わるころ上手くなる」。
塗装やさんの講習で,「変性シリコーンは塗装できる」と聞いたので,少し高いけど変性シリコーンを使ってコーキング。その準備中。この後打ったのですが,対象容積が大きくて5本を簡単に使い果たしました。
2階の樋は横樋の勾配を修正することはできないと判断し,集水器を入れてそこから降ろすことにしました。ちょうど柱のある位置だったので竪樋の固定もできました。
1階の樋も取り替えて,軒天井も張り直し。この軒天井に使った材料がずいぶん高いものだったと後で判明。白塗装の5ミリの合板のつもりで買ったのですが,マーレスボードっていう不燃化粧板だったんです。知らないで買ったけど,まあ,正式な材料ということですね。
樋の取り付けや修正作業が終了して5日後ぐらいだったでしょうか?本降りの雨が降ったのですが,母から電話がかかってきました。「雨の音がしない,樋からあふれずにきれいに流れている,ご近所の方もほめてくれる!」。良かったです。これからも時々様子を見て,大きく痛む前に手当てをしていこうと思います。