子どもの頃にたいして意識していなかったのに,大人になってから「あの味が懐かしい」と思うものがあります。
5年ほど前から12月になるとたくあんを漬けています。干し大根も,漬け用の糠も渋川の八百屋さんで買って,ただまぶすだけなんですが,僕も美味しいと思いますし,差し上げた方からも大好評です。
今年は梅干しに挑戦しようと思いました。群馬には2大産地があります。箕郷町方面の梅林と秋間梅林。箕郷は我が家から見ると西側の榛名山麓の中腹にあり,春は一面に白い花の色に埋まります。
今年から朝の小中学生交通安全見守りに出向くようになったのですが,何年も続けて下さっている飯沼さんが梅もぎに行っているそうで,「漬けるんじゃ買ってくるよ」と引き受けて下さいました。そして,「梅干しもいいけど,シロップ漬けなら子供も飲めるし美味しいよ」と勧めて下さいます。
シロップ漬けは想定外でしたが,熱心に勧めて下さるのでレシピを調べて2種類作りました。一つは飯沼さんおススメの梅+砂糖+酢のシロップ漬け。もう一つは定番の梅1:砂糖1のシロップ漬け。
どちらも美味しくできました。
綺麗な青梅の状態で譲ってもらったので,へたを取ってから追い熟です。熟すにつれて果物の甘い香りが立ってきました。へたを取ったときに傷つけた分もあるので,いい香りは嬉しいですが,いつ腐るかわかりません。もしかしたら早かったのかもしれませんが,塩をまぶしました。塩は,カインズホームで買った一番安い塩(笑。サラサラなのでいい感じで梅に絡みます。
減塩が流行りですが,塩分20%にしました。梅干しが常温で保存できるのが18%以上ということもありますし,まずは伝統的な梅干しを作ってみたかったんです。
僕が参考にしたレシピでは,梅3キロに赤じそ3束でしたが,直売店に行った時残っていたのが2束。まあとにかく色が付けば良いのです。2束の灰汁を抜いて梅に投入。
ここまで重石を使っていなかったのですが,つけ汁が全部に掛からないという難点を感じ,甕を買ってきて重石も使いました。この時点で,懐かしい梅干しのニオイになります。涙が出そうな懐かしさです。
なかなか梅雨が終わりません。予定より1週遅れましたが,梅雨明けに土用干し。鮮やかです。まさにプライムジャパン。
鮮やかな朱色だった梅が白い粉を吹いて色あせていく。三日三晩干して乾いた甕に戻しました。
すでにしょっぱくておいしい梅干しですが,1年,2年と寝かせたらどうなるのでしょう。日本人に産まれてきてよかった,と思います。