玄関大理石の研磨再生
アイホンの復元が終わって、玄関大理石研磨に入ります。これは天然の大理石ペルリーノだと思います。ペルリーノは石灰を主成分とする堆積岩で、化石を含んでいる場合があり、比較的柔らかい性質を持ちます。Hさんが、色がしみ込んでいる箇所がある、とおっしゃっていましたが、たぶん貝殻などの異物が溶け込んでできた模様ではないでしょうか。
最初に軽く洗います。オーブテックカーペットシャンプーにカスイを入れて塗り、風呂ブラシでマッサージ。吸水バキュームで吸い取ります。汚れや軽い着色、そして砂塵を取り除きます。玄関ドアの敷居をまたいで、上がり框までの、歩行部分がくすんでいるのが分かります。
深い傷がないので800番からと思って始めたのですが、思ったよりリッページ(段差)がありました。段差があると、低い方の石の目地の近くに研磨パッドが当たりません。
そこで、400番に落として、強めに磨きます。こんな時は、ストーンマスターオリジナルの4番が頼もしいです。この画像は、当店HPで使っている写真です。この贅沢な厚み!
真っ白なとぎ汁が出て、石表面も完全に艶消しになります。ポリッシャーがあまり外側に行かないように気を遣いながら磨きます。この下地を作る作業は念入りにやります。
#4の後、#5を使い、ここから新井田さん推薦の日本研紙に替えます。日本研紙1500番で3セット磨くと、このままでも十分という光沢になります。最後に3000番で磨いて仕上げました。ばっちりです。
外から見たアングルはこちら。玄関照明がキリっと写っています。左の分がぼやけているのは、下駄箱の扉表面に一度反射した2次反射だからです。
さて、内覧用に養生しているときに異変に気付きました。上がり框に接している床材が傷ついています。元のフロア材の上にフロアタイルを貼ったのだと思うのですが、その表面フィルムがめくれて、一部は削れてしまっています。なんということでしょう。もう一度この写真を見て下さい。
これは私どもができる修正、補修の範囲を超えています。H様に電話して事情を説明し、これから行われる補修作業に追加してもらうことにしました。仕事を増やしてしまって心苦しいです。申し訳ありません。
大理石研磨自体はいい感じでしたが、漂白できなかった換気口本体、モニターパネルの枠…とモヤモヤな撤収となりました。
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