いつもお世話になっている不動産会社のN様から、電話でお問い合わせ。「日立のお掃除機能付きエアコンが、動くけれどエラーが出て止まってしまう。クリーニングで治るものでしょうか?」。
さて、自慢するみたいで恐縮ですが、このエアコンがキレイになり、使えるようになって嬉しかったという話です。
Nさんはエラーコードも確認されていたようで、「ファンモーター異常、あるいは制御基盤異常」だそうです。経験したことのない症状です。もう一台、そちらはパナソニックのお掃除機能付きエアコンだそうで、2台を洗ってほしいけれど、もし日立の分が故障して使えないようならパナソニックだけ洗ってほしい、と注文をいただきました。
その後メールでも詳しい情報が送られてきます。お電話で大まかな確認をして、日時まで決め、その後詳細がメールで来るというのは、現場で電話に出ることの多い僕には大変ありがたいです。
オシャレな感じの建物で、開店準備中です。朝、作業を始めたときは、室内でも呼吸が苦しくなるほど寒かったです。動くパナソニックで暖房させてもらいます。
これはNさんから送られてきた画像。室内機下面で2.5メートルぐらいでしょうか。普段の4段では足りないので5段の脚立で作業です。RAS-EL63G2(W)、日立2017年製。
リモコンで暖房を押しましたが、タイマー10回点滅でうんともすんとも言いません。お掃除のブラシもステーションから少し左手に進んだところで止まっています。電源プラグを抜いて、もう一度挿しましたが、やはり全く動かず、タイマー点滅。時間が短すぎてリセットにならなかったのでしょうね。
ファンモーター異常ということでしたので吹き出し口からファンを触ってみます。確かに異常です。ファンが回りません。指に力を入れると、何とか回転させることはできます。ホールド状態ではないです。
分解クリーニングして動くかどうかは、最後の最後まで分かりません。ドキドキの心理状態で、この面倒くさい日立君を分解して行きます。
ドレンパンを脱着する時は熱交換器手前をちょっと持ち上げてやる必要があります。その時、原因が分かりました。メラミンスポンジです。たぶん送風口を拭こうと思ったのでしょう。運転中の作業だったのでしょう。「あっ!」と思ったら上に持って行かれたんですね。
エアコンファンの羽根は思った以上に欠けやすいです。鋭い形状ではないですが高速回転ですから、触れれば怪我をします。羽が欠けていなかったので、幸いけがをせず済んだのでしょう。でも日立君は、「動けないも~ん」と止まってしまったのでしょうね。
クリーニング作業自体は、いつも通りです。壁に残った熱交換器とボディをすみずみまで高圧洗浄。
復元組立を済ませ、電源プラグを挿します。グリルや風向き板が動作をはじめ、ファンも軽く回転しました。お掃除ブラシ往復も始まります。日立のお掃除ブラシは往復に時間がかかり、電源プラグの抜き差しで必ず往復してくれるので、待っているこちらとしてはじりじりします。
まあまあ待ちましたが、ブラシがステーションに戻り、クリーンランプが消灯しました。タイマーランプの点滅もありません。
暖房ON!
上下羽が動き、左右羽が動き、グリルが手前に倒れてきて、ステンレスが温風で曇り始めます!外に出て室外機の運転も確認。しばらくすると羽が全開になり暖かい風が勢いよく吹き出しました!
注文して下さったNさんも、借主さんも、そして料金をもらえる僕も「良きかな!」。高価な機械を無駄にしなかったという意味でも「良きかな!」。とこじつけて四方向良し。
試運転してしばらくしたところに借主さんがいらっしゃり、喜んでもらえました。
午後からパナソニックに取り掛かります。
こちらも、自慢するようで恐縮ですが、エアコンクリーニングにとって、分解がどれほど重要かを見てもらえる例となっています。
CS-562CSX2-W、パナソニック2012年製。これもNさんから送られてきた画像です。勝手口の高さから推測できるように、普段の高さの設置です。
吹き出し口から見えるファンは汚れがなくて、もしかして、あまり使っていなくて洗う必要がないのかな?と思いながら分解し始めます。制御基板周りも内部も製造時の状態です。
まあでも、お掃除ユニットは結構汚れていました。順番が前後しますが、比較のため、洗い終わったユニットが続きます。
熱交換器に異常に黒い部分があって、もしかしてガス漏れ?と思ったのですが、さっきまでしっかり暖房してましたからね。
そして気が付きました。これって「エアコンクリーニング済み」なんだ!
当店がクリーニングを終えて組んだ時に撮ったのでイメージしにくいと思いますが、化粧板だけ外した、この状態で洗ったのでしょうね。この状態を覚えておくと、次からの画像が理解しやすいと思います。
ここで質問をさせていただきます。感じ悪い内容ですが、お付き合いください。
このエアコンに施されたエアコンクリーニングは、当店の半額、あるいはそれ以下の料金だったと思います。つまり、当店が1回洗う料金で2回洗えます。・・・では、安い料金で2回洗う方がいいですか?それとも高い料金でも、当店で洗いますか?
見えるところはきれいになりますが、それ以外のところに汚れが残ります。
「エアコンクリーニング済み」のエアコンから出てきた洗浄廃水。
分解してからクリーニングすれば、熱交換器も、ファンに隠れていた奥の方もキレイになります。
外したファンは、ほぼキレイになっていましたが、左右の端っこには目視できる汚れが残っていました。ドレンパンは・・・可哀そうな感じです。断熱の発泡スチロールに汚れのかたまりが融着したような感じで、ここまでの仕上がりでした。
お掃除ユニットです。洗ってあるので、汚れていないように見えましたが、電装を外して漂白剤で洗うと、やはり風合いが変わるんですね。
こちらは動作に問題がなかったので当然ですが、空調、風向き板の動作、お掃除ノズルの往復、無事動作確認できました。ファンのバランスなのか、高速回転でいくらか振動があります。13年目なので、もう少し頑張ってもらって、替えるときは汎用機にしてほしいなと思います。
(Nさんの娘さんのMさん、って毎度言うのは気が引けるので、次回からはMさんと言います)。午前、午後とMさんがいらして、日立が動いたことをとっても喜んでくださいました。足を運ぶことをいとわない感じはお母さま譲りですね。飲み物の差し入れもありがとうございました。
ということで、今日の2台は、私どものサービスがお客さまや社会のお役に立てているんじゃないかと実感できる作業で、大変いい経験をさせていただきました。N様、毎度ありがとうございます。