本庄市にお住いのS様からお問い合わせがありました。思い込みかもしれませんが、当店に期待してくださっているご様子です。
「エアコン掃除について、インターネット検索をしていて御社を見つけました。我が家のエアコンは、賃貸付属のエアコンでシャープの2018年製AC228FTと言うお掃除機能のないエアコンです。(エアコンの清掃業者依頼については、個人で頼んで良いと、管理会社からは確認済です。) アレルギーがあるので出来るだけ内部までキレイにしたいのですが、持ち出し洗浄ではなく、、でも、オーバーホールに一番近い形で完全分解洗浄出来る業者を探しているのですが、本庄市は範囲外な業者が多く、そんな中なんとかギリギリ近い御社を見つけました。我が家は本庄市なので、半径20キロを少し越えてしまいますが、なんとかお願いできませんでしょうか?日程については平日昼間だとありがたいです。また我が家の機種はプラズマクラスター付きなのですが、施工可能でしょうか?」。
県外ですし、当店ホームページご案内だと営業範囲外に見えると思いますが、直通道路のように17号が走っているので、意外に近いんです。調べてみると約45分。往復1時間半ですので、喜んで伺います。
その後、以前に業者に洗ってもらった時の写真が送られてきました。これは大変参考になります。ドレンパンが独立して外れる構造ではありません。また熱交換器の配管を支える樹脂パーツがまるでダイキンです。写真で白丸のところは、かなりしっかりしたフックがあります。これってダイキンがすでにやめている設計だと思います。
ちょうどそのころ、お掃除研究室でお掃除本舗の松尾さんから、シャープなのにダイキンみたいなエアコンに遭遇したよという情報提供がありました。配管抑えもほとんどダイキンと一緒、ドレンホースの固定は金具を使ったいい設計、ルーバーのモーター固定は+1ということです。前情報なしでも何とかしますが、仲間からの情報は心強いです。
さて話が前後しましたが、本日行って参りました。肌寒いくらいです。Sさんにご挨拶して、エアコンまで案内してもらいます。とてもフレンドリーな対応で、気持ちが楽になりました。
試運転開始。ルーバー動作が???。お話の様子では、業者にクリーニングしてもらった後も、あちこちが気になって、自分でできるところまで分解して拭いていたそうです。ルーバーの中央支持は外れていて、化粧板のビスも全部外れていて、化粧板は本体から外れていました!
最後に化粧板を戻してから気づいたのですが、この化粧板は、富士通のフルカバーのような設計です。天井が近いと、ものすごく外しにくい爪を使っています。Sさんはマイナスドライバーを使って外したそうですが、どこにも破損が見当たりません。スゴ腕です!
基盤のケースは見たことのない作りで、分厚い樹脂ケースのような感じです。配線取り回しはシャープらしい感じです。だいたいグリル表示部まで、被服に覆われた太い配線があるのは、試作機か?という作りですね。
無事に洗える状態になりました。
汚れのこびりついたファンを残したまま洗うと、当然ですが、熱交換器の内側に飛び散ります。このカスは、直接水流を当てるか、触らないと取れません。
外したボディーもかなり汚れています。ずいぶん奥まで手が入っていますね。洗い終わったボディーをご覧になって、Sさんが、こういうふうに洗ってほしかった、とご感想。良かったです。
ドレンホースの接続は、金属製のリングを半回転させるもので、外すのもはめるのも簡単。そしてしっかり位置保持できます。霧ヶ峰方式が最高ですが、このリング方式もなかなか良い設計です。昔サンヨーがドレンホースの内側に溝を作り、ドレンパン出口に突起を持たせていましたが、ホースをねじったり、ドレンパンを回転させたりって、取り付け位置によっては難しかったです。その点、ホースの外側のリングなら、作業者に優しいと思います。
1時間半ぐらいと言っていたのですが、2時間超になりました。もし化粧板がはまっていたら、15分ぐらいはそこで躓いたと思います。暖房で試運転し、内部乾燥にしてお引き渡し。今日は暖かい方が良かったですね、と飲み物を頂戴して撤収。S様、このたびは当店へのご用命をありがとうございました。