数年来年末にご注文下さるK様から,職場のエアコンクリーニングのご相談を受けました。通いでリハビリをする施設です。
天井ダクト式2台と,壁掛2台を見せていただいたのですが,ダクト式の方は当店の料金体系ではお請けできません。フィルターのみお手入れさせていただきます。ちなみに型番は,FHYBP112P。室内側から見えるのは,天井側の枠と室内機本体を接続した蛇腹と,その上方にシロッコファンケース。ファンの壁際にたぶん厚みのある熱交換器がほぼ垂直に収まっていると思われます。
壁掛2台はダイキン製。F22FTNS-W,2006年ぐらいの製品です。空調機としては信頼性のもっとも高いメーカーですが,壁掛エアコンを洗うという観点からすると,東芝と並び,おススメできないメーカーです。こういう施設では当然のことですが,洗う環境を作るのが場所・時間とも難しいです。もちろん夜間作業をいとわなければ事情は変わりますが,付き添う方は大変ですし,ましてこの寒い時期に外で洗いものなど不可能です。
そんなわけで,通所リハビリ進行中に作業させていただきます。スタッフの方々が臭いエアコンを洗うことに意義を感じてくださり,協力的なのが救いです。
ダイキンは化粧板がフルカバータイプ,その内部は全て一体式で組まれています。ファンやドレンパンを独立して外すことはできません。だから,可能な限りキレイに洗おうとすると,据え付け板にかかっている本体を丸ごと外すことになります。残るのは熱交換器のみ。
これをさらに突き詰めると,冷媒配管継ぎ手部分から室内機全体を外す作業になります。エアコンはしばらく使えませんが,何もかも分解して洗えます。ダイキンに頼むとそういう徹底的なエアコンクリーニングをしてくれます。お値段は…1台5万円は下らないと覚悟して下さい。
そんなわけで,2台で!5万円どころかその半額ぐらいのお値段で,ダイキンのクリーニングに近づけようという意欲的なサービス。当店のエアコンクリーニングのコストパフォーマンスは,自分で言うのもなんですが,かなり高いです。もちろん激安とは言えないことを承知しております。1台目事務所の分。戻り臭から,カビが原因だと分かります。
2台目は脱衣所ロッカー上。ホコリがすごいです。
僕には理解できない配線と,脱衣所の設置状況,そしてダクトエアコンの様子。洗うとしたら,手前の照明を外して,ダクト側から洗浄するのでしょう。理論的には洗えるのでしょうが,洗うという想定が感じられません。
洗濯機とか,エアコンとか。お客様の意識は,洗ってメンテナンスするという水準になっています。メーカーの方は,設置されているままで洗ってお手入れするという前提で設計をお願いします。それが想定されていると感じられれば,メンテナンス業者には分かります。何のバイアスが無くても,それをお客様にアピールします。いいものを作って下さい。(ダイキンと東芝のエアコンは設計を改めるべきです)。
ちょっと想定より時間がかかりましたが,壁掛けオーバーホールでお手入れ出来たので,当店としては満足の仕上がりです。スタッフの皆さま,K様,ご協力ありがとうございました。