今月初め,いきなり36度とか37度を記録した猛暑の日,エアコンクリーニングの問い合わせが殺到しました。
箱田町のマンションにお住まいのY様からは,「最近とてつもなく暑くてエアコンを使いたくて、昨日エアコンを2台何時間もかけて掃除しました。しかし中をのぞくとファンや羽部分がカビだらけで、素人には手の届かない場所です。子供が喘息だったり、私も夫もアレルギー持ちなので、あの状態でエアコンをかけるのが怖くなりました」。
そうなんです。エアコンも(洗濯機も),目に見える部分をいくらかお手入れすることはできますが,より重要なところには手が届きません。エアコンの場合はファンが汚れていたり,熱交換器がカビていたりする場合は手の施しようがありません。あまり無理をすると,風向き板を壊してしまったり,指先をけがするかもしれません。
Yさんもやってみたそうですが,エアコンスプレーを試してみたくなるでしょう。これもほとんどの場合うまくいきません。熱交換器に残った洗剤成分にカビが付き汚れが加速します。もともと汚れが多かった場合は,流れ落ちたものでドレンパンの排水が悪くなります。
では,フィルター自動お掃除にすれば,悩まないで済むのでしょうか?なんども主張しているので控えますが,フィルター内の汚れはやはり洗うしかなく,そうなるとお掃除ロボットは邪魔でしかありません。どうしてもクリーニング料金が高くなります。
エアコンの中が汚れていて気になるという場合は,プロの手で分解クリーニングが必要です。
(申し添えますと,ものすごく汚れているエアコンを使っているから健康に悪い,とは言えないと思います。もともと呼吸器系が弱いとか,アレルギー体質だという場合は配慮が必要です。それでも,今のエアコンクリーニングの盛り上がりは,コマーシャルやテレビの特集によって作り出されているイメージが強く影響していると思うのです。人には様々な防御機能があるので,もともと健康なら,多少のカビやばい菌には負けないのではないでしょうか)。
Yさんが話してくださったのですが,当店のいろいろ外して洗う様子や,ビフォーアフターの画像が決め手で選んでくださったそうです。どうもありがとうございます。
朝,約束の時間直前にYさんから駐車場ナンバーの案内が届きました。グッドタイミングです。さらに駐車区画に一番近い1階のお部屋。マンションでの作業としては理想的でした。
2台見せていただいたのですが,2台目は汚れが少なく,使っても体調に問題がないということで今回は見合わせ。リビングの1台を徹底的に洗いましょう,ということになりました。ダイキン2004年製,F28DTES-W7,マンション備え付け,露出配管左抜き,すぐ外のベランダ天井に室外機が吊られています。これだけ近いと冷房もすぐ冷気が出る気がします。
露出配管だと室内機は簡単に浮かせるので,爪3つで吊られている壁側化粧板(ドレンパン一体成型)を外して壁掛けオーバーホール。残すところなく汚れを取り除きます。
Yさんには大変お喜びいただきました。お茶をいただいて撤収。この時は,重大な手落ちに気が付いていませんでした。
さて,お昼にかけて見積りを1件,ダイキン製壁埋めのエアコン3台,通常の壁掛け型と似たような感じで洗えそうです。ご予約いただきました。
午後が1台は洗えるのでいくつか電話をかけ,ご都合を付けてくださった玉村町S様邸へ。今月初めに霧ヶ峰お掃除エアコンをさせてもらったT様のご実家です。
立派な日本建築,居間に設置されたナショナル機,CS-Z283A-W,2004年製です。Tさんが型式を調べてくださり,空気清浄機が付いているとのことでしたが,これは当店の分類では標準機です。ただ,珍しい化粧板フルカバータイプでファンが抜けないモデル,より徹底的に洗うためには壁掛けオーバーホールが必要です。
今回は京壁で通常の右下側で貫通させる配管でしたので,ファン・モーター付きで洗いました。熱交換器は浮かせるようにしたので,目に見える限りはドレンパンの溝も水流を直接当てています。
(ここでドレンホースを抜くとき,午前のエアコンのドレンホースをつなぎ忘れたことに気が付きます。両側の爪がカチッとはまった時に安心して,重要な工程を失念しました。早速Yさんに電話を入れました)。
駆けつけてくださったTさんが寝室のも洗って下さい,とお帰りになる前に2台分お支払い。どうもありがとうございます。
2台目に入る前に,お父様が買ってきた缶コーヒーを差し入れて下さいました。無糖タイプ。渋いですね。弟が天井の鏡板のことを尋ねると,当時のことを話して下さいました。
お父様は大工の棟梁。このご自宅も自分で建てたそうです。昔は電気なしで家が建ったものだというお話でした。天井に使ったのは八代杉?,柱や長押は木曽檜,床柱は天然の絞り丸太…いい材料を選んでおいて使ったのだそうです。キリ,のこ,カンナの順に作業が大変だったことや,小学校一棟を機械がない時分に建てたことなど,今では考えられないほど手間のかかる話です。機械がない分,人間の能力が高かったでしょうし,温暖化の原因になるエネルギーの過大な消費もなかったのでしょうね。
2台目はコンパクトな室内機,CS-Y250A-W,たぶん2000年ごろの製品です。こちらは通常の分解が可能。ホコリが主でしたが,寝室でお使いですので,年式的にも一度洗っておくと良いでしょう。
2台目に入るころにお母様も帰って来られました。ご挨拶をして撤収。このたびはご用命ありがとうございました。
お電話してもう一度Yさん宅へ。お嬢ちゃんも帰っていました。化粧板を外してホースをつなぎます。Y様,大変失礼いたしました。水漏れを起こす前に修正できてほっとしました。