21日にお電話でお問い合わせ,ご注文をいただきました。渋川市八木原のS様。家庭用ですが天井埋め込み型1方向1台と壁掛け型1台です。メーカーはナショナル,付加機能はなさそうとのお話です。
家庭用天井埋め込み型のパネルは,長手方向が100センチを超えることもありますが,天井埋め込み(小型)に分類しております。僕の感覚では,天井埋め込み4方向(大きなシロッコファン1個)に比べてサイズは小型ですが,1方向や2方向のクロスフローファン式の方が分解組立てに手間取ります。ですが,ナショナルのこの型は,非常によく考えられた設計で素晴らしいです。型式はCS-B402AC2,2002年ぐらいの製品でしょうか。化粧板と分離したルーバー関係,基盤に来ている配線が分かりやすい,着脱しやすい爪を上手に配置した設計,最後に外すドレンポンプやモーター周りなどは,(他の機種ではかなり難儀することが多いので),思わず感嘆です。外観はシンプルです。
差し出がましくて恐縮ですが,私どもからGOOD DESIGN賞を贈呈いたします。
ルーバーや送風カーブに拭いた跡が見受けられ,それがかなりの汚れを予想させましたが,開けてびっくり。降ろしたドレンパンw
他のアングルもありますが,そういう趣旨ではないので必要な写真をまとめます。ファンやモーターが外された天井側。熱交換器とボディーです。お掃除前後を並べます。ちょうど洗浄が始まったころ,Sさんが部屋に戻られたのですが,カバー内を流れる汚水をご覧になり,引いていらっしゃる様子でした。
外したパーツ類。カビが胞子を伸ばしているのでしょうか?灰色の綿毛のようなものが…。普段の仕上がりは,外で洗いものをする弟のパーツ洗浄の方が早いのですが,いつもより時間をかけた熱交換器洗浄が終わるのと同時でした。
設計が優秀なので,組み立てはむしろ楽しいです。こちらが洗浄後,試運転にこぎつけた天井埋め1方向です。グリルの真ん中の違いに気づくでしょうか?ワンタッチのホックの受けの取り付けが間違っていたので修正しました。きちんと閉じるようになります。改善できればちょっと幸せな気持ちになれます。
そういえば,このごろレーシングチームマキタ(マキタの高圧洗浄機によるエアコンクリーニング,モーター回転で起きる高周波の騒音が,まるでレーシングカーみたい)で攻めているのですが,ホースやランスで圧力が変わることに気づきました。ランスには,先端に「いけうちノズル」が埋め込んであるのですが,水流の扇の角度と流量で型番が決まっています。ゲージに表示される吐圧力は,動墳用のランスと高圧洗浄機用のランスでも違いますし,カインズの動噴5M用のホースと業務用高圧21M用のホースでも違いが出ます。やはりチームマキタには,高圧用のホース・高圧用のランスの方が良いようです。ただ動墳用ランスの扇角15度は捨てがたく,25では広すぎるときのために,毎回交換して使っています。ただ,ゲージ3.5M表示でも手首に感じる圧力の違いはなんだろう。
予定通りお昼前に終わり,2台目の壁掛けに取り掛かります。こちらはCS-VB282A-C,和室に合うように茶色がかった化粧板です。化粧板の様子から,ファンとモーターが外せないタイプと予想します。
この型式は内部構造が特殊で,ドレンパンは簡単に外せるのに,モーターやファンが抜けないのです。二つを外すには,壁掛けオーバーホールが必要です。これは熱交換器を支えている壁側のボディーを外すオプション作業で,通常はドレンパン一体式のダイキンや東芝に対して求められる施工です。一工夫すると,こんな風になります。隠ぺい配管で接続されていたので,比較的スムーズに行きました。
外したパーツ類もよみがえります。
今回,天井埋め,壁掛けとも風量と温度を計測しました。「冷房設定25度弱風」で簡易風速温度計の結果ですが,天井埋め込みの吸い込みが200%,吐き出しが120%,壁掛けは吸い込みが0m/sから1.5m/sに,吐き出しが220%になりました。数値は非現実的ですが,実際かなり効率が良くなり,冷房も効くでしょう。健康的かつ快適かつエコロジー。かなりお使いの様子ですから,クリーニング代は電気代節約で回収できるのでは♪
対応してくださった奥様や息子さんがお出かけになり,ご主人に作業報告を提出してお支払いをいただきました。S様,このたびは当店へのご用命,ありがとうございました。