宿横手町のN様には,一昨年末に水周りのお掃除に呼んでいただきました。今回はエアコン2台のクリーニングを検討していらっしゃいます。その後のやり取りで,リビングのコーナーエアコンは交換されることになったそうで,壁掛け一台をさせていただくことになりました。
型式はCS-SG22P-W,ナショナル2001年製,お聞きしている築年数に合いますから,新築時設置ですね。
このぐらいの年式になると,樹脂部分がもろくなっていることがあります。分解復元の過程で,細かいところが破損する可能性があります。動作不良につながる破損でなければお許しください。
Nさんのお話しでは,中が汚れているのに気づいて,手の入るところまでやってみたけど,あきらめたそうです。左右の風向き板がはずれていて,頑張った様子がうかがえます。他のお宅では外れている程度では収まらず,羽の根元が千切れていたり,さらに奥のファンの羽が1,2枚割れているなんてこともあります。Nさんはそこまで無理しなかったんですね。良かったです。
普段見えるのはこの部分ですね。お掃除前後です。
化粧板を外すと,基盤周りもクモの巣が張ったような汚れ具合。これには原因と思えるものがありました。とりあえずお掃除前後。
原因はこれ。貫通スリーブが無いため,壁面の空間を通り抜けてしばらく住みかにしたのでしょう。ネズミのふんです。一応パテを入れておきました。
当初壁紙はクロスと思っていたのですが,紙でできた「壁紙」でした。こうなると,濡らさずに洗うのが難しいです。右下抜きで,配管がタイトでしたが,壁掛けオーバーホール(背抜き)にしました。
ドレンパンとファンも汚れています。
熱交換器も念入りに洗います。ピア洗浄剤を濃い目で洗い,植物クリーナーを溶かした温水ですすぎ,最後に水洗い。ニオイがなくなり,黒いカスが流れなくなり,汚れが落ちたのが感じられます。
このエアコンはいろいろ分解組立てに難があります。熱交換器の左側は上のビスだけでなく,手前下にフック金具付きのビスがあります。左が壁に近いとアングルドライバーが必要です。ファン軸は切欠きのあるタイプで,ファン側は遊びが少ないです。ファンの両端にヘリがあり,ファンを軸から外すときにモーター軸とそろえるのが難しく,ファンが抜けないかと思いました。
もう一つはモーターへの配線。基盤側のプラグを抜いただけではだめで,このフックから線を外しておかなければなりません。それが意外に難しい。フックから外さずに基盤を抜くと,遊びの無いプラグがモーター側で抜けます。その時,3本あるこのモーターの電極を直角に曲げます(怖。現状の普通機は基盤の左側から配線を取りまわしていますが,それが自然な流れですよね。
洗うことについては,どこにも汚れの取り残しなくすっきりできましたが,時間がかかってしまいました。樹脂ももろい感じは無く,破損無し。(それが当然ですが)。1時間半から2時間のはずが2時間半。冷たいお茶をいただいて撤収。N様,再びのご用命をありがとうございました。