T先生の歯科医院には,同業の片山さんからの紹介で9月にダイキン壁掛け2台で入らせてもらいました。その時に,天井埋めのエアコンと,奥の診察室にある壁掛けも洗いたいとご要望があり,本日にご予約下さいました。
先生が立ち会って下さったのですが,出かけてしまうとのことで,通用口の鍵を渡して下さいました。休診でない日に届けてほしいとのことです。承知しました。
まず取り掛かったのは天井埋め4方向。FHCP140DA,ダイキン2014年製。ブレーカが見当たらないので先生にお尋ねします。医局に入るドアを開けると隠れる位置にありました。これは教わらなければ見つからなかったかもしれません。
ところが,200V表示のあるどのブレーカも違う系統です。建物の外回りを見ましたが,プラボックスなどはありません。もしかしてと,道路に近い引き込みのポールに行ってみます。計量器の下にもう一つ金属製の箱があります。こんな時のために用意していた汎用の合鍵を使って扉を開けると,ありました!動力用のごついブレーカ。この時点で40分近く経っていますから,ブレーカの確認は重要です。
ラウンドフローと呼ばれる,ダイキン独特の化粧板。
この化粧板は洗うのを拒否しているような作りでした。程度が軽ければ洗わなくても何とかなりますが,吹き出し口付近に使われているフェルト張りがものすごくカビています。がっつり漂白洗浄したいので,ルーバーモーターを外さなければなりません。こんなに面倒なのは初めてです。このほぼ発泡スチロール製の枠を,樹脂板でサンドイッチしているような作りで,これを外すとモータが見えてきます。外すと言っても,粘着剤も使われているので,外してよいものかと迷うと思います。
なかなかの汚れだったので,たくさん写真を撮りました。ファンとドレンパン。
汚れはファンの天井側まで。
激務に励むドレンポンプ。
熱交換器。
熱交換器の2次側もできる限り高圧で洗います。
試運転でエラーは出なかったのですが,風量の調整が効かない気がしたので,ファン関係のコネクタをもう一度丁寧に洗って接続しなおしました。ファンを取り出さないとコネクタが触れませんし,電源を断続するためのブレーカが遠いので,結構時間を取られていしまいました(恥。
2台目はCS-VB252A2-W,ナショナル年式不詳。たぶん2005年ごろではないかと思います。これはドレンパンが外せるものの,防水壁の関係でモーターを抜くのが難しい型です。そのため,壁掛けオーバーホールが必要になる,ナショナルとしてはユニークな型式です。見分け方としては,化粧板がフルカバーだということ。先回見たときは,ナショナルのエアコンだな,と思いましたが,フルカバー化粧板だと気が付きませんでした。
化粧板のビスが足りませんし,外した途端,樹脂部品の破片が落ちてきます。誰かが触った形跡です。これは推測ですが,エアコンスプレーによるセルフクリーニングではないでしょうか。
化粧板自体が汚れていたのでパチリ。写真はそんなに変わった印象になりませんが,劇的変化です。
分解してく過程で,手も服も床も汚れるファンとボディ。洗った弟から,今までで最強の判定が出ました!樹脂パーツが黒系なので違いが分かりにくいのが残念(笑
熱交換器も酸洗いから始めます。
ドレンホースも高圧洗浄したのですが,外に出てみると…。水漏れは起きていなかったようですが,これだけ詰まっていたかと思うと怖いものがあります。
14時ごろ終了と予想していましたが,15時近くになりました。年式のことがあるので,できるだけ軽微な分解作業で洗いたいと思うのですが,汚れの程度から壁掛けオーバーホールにせざるを得ませんでした。試運転で無臭の温かい風が出て,報われました。
T様,このたびは当店へのご用命をありがとうございました。