前橋市大友町にお住まいのI様から,父親の家のトイレをクリーニングしてほしいとご注文が入りました。一般的な構成のトイレということなので,作業時間は約2時間と見積りました。午後0時からエアコンクリーニングの予定で,午前が空いていたので,本日に予定を組ませていただきました。
お父様は下和田町にお住まいです。敷地は車が何とか入れる路地の,さらに直角に曲がったところ。曲がり角が別のお宅の駐車場で車がなかったので,バックで何とか家の前の通路に停めました。両側の生け垣に挟まれたサンバーでした。
お父様は足が悪い様子です。トイレはドアを開けるとかなり強いニオイ。窓を開けると連続で入ってくるやぶ蚊。なかなか厳しい条件です。古いウォシュレットが陶器から外れません。換気扇も昔の造りでファンが抜けてきません。お父様は見ていて心配になったのでしょう。「無理するな,壊れたら困る,外さずにやってくれ」とおっしゃいます。自分が頼んだわけでもないのに業者が来て,使えていたトイレが壊れたらたまらないですよね。このニオイと蚊とアウェーな感じに多少落ち込みましたが続行。
結局ウォシュレット内部から漏れ出てくる粘着質の液体が陶器との隙間で接着剤のような働きをしていました。分解洗浄はやめた方が良いでしょう。幸いノズルをカバーするような形の化粧板が外れて,分解洗浄に近いお手入れができました。配管はフレキではなく細いパイプで遊びが少なかったのですが,便座の下も尿石を落とせました。
陶器内部は濃度の高い塩酸を使ったハイパートイレクリーナーを使いましたが,塗る段階で溶けていきます。汚れが落ちれば陶器を磨きます。さらに腰から下の壁面と床を温水ピアを使って除菌消臭。…したものの無臭にはなりませんでした。
ただ,分解してキレイになった部品を見せるたびにお父様は喜んで,「キレイになった,ありがとう,おかげさまで…」と次第に心を許して下さいました。かなり厳しい条件でしたが,その中で結果が出せて良かったです。お支払いはお父様持ち。ありがとうございました。
着替えてお昼を取り,午後のエアコンクリーニングに向かいます。毎年お手入れしている動物病院の壁掛け型エアコン。泊っているワンちゃんのゲージの上のエアコンは,毎年夏になると水漏れを起こすのです。
先生のTさんが,ドレンパイプを高圧洗浄するなど,水漏れが起こらないように工夫してほしいとおっしゃるのですが,今回ドレンホースを見て,どうしても1年しか持たないのではと思いました。
一昨年から背抜きで洗っているので,壁側に入った毛などによる水漏れの可能性は少ない。ホースも高圧洗浄している。ホースの排水自体にも問題はないのを確認している。
原因として考えられるのは,やはり動物がいる室内環境と設定温度。エアコンは夏になれば連続運転していて,28度の弱冷房。ドレンパンにゼリー状の汚れが出来てきてパイプにもつまり,流れが悪くなる。とくに温度湿度とも高い日に使うと,排水が追いつかなくなる→水漏れという流れかと思います。言い訳ですみません。
そして今回感じたのは,フケ?も原因ではないかと思うのです。最初の年は化粧板の上に綿のように乗った毛がありましたが,今はフィルターまで良くお手入れしてくださっています。ドレンパンはもちろん,化粧板の壁側も毛による問題は起こっていないようです。ファンやドレンパンから始まる汚れ…浮遊しているフケとか土ぼこりなどが直接ファンに付着する,ドレンパンの水たまりに溶けるなどするのではないでしょうか。
そんなことを考えさせられたドレンホースと壁側化粧板の壁側。ドレンホースはスライムで半分詰まっていました。
こちらが壁に残る熱交換器と外した部品のクリーニング前後。熱交換器を支えている壁側化粧板を外して洗う方法を背抜き(当店は壁掛けオーバーホールと呼んでいます)と言います。追加料金をいただくオプションです。写真では分かりにくいですが,ドレンパンは底がぬるぬるした状態です。背抜きの方法で洗うと,エアコンがリセットされる感じがお分かり頂けると思います。
背抜きの際,鎖を使う方法には変わりないのですが,片方に繰り返し使える結束バンドを使うようになりました。こうすると,熱交換器がすでに吊られた状態になるので,壁側化粧板の取り外しと復元が楽になります。こちらの病院では配管が左抜きなので,室内機の扱いは楽です。以前より背抜きに抵抗感がなくなりましたが,毎年これを続けるのは何となく心配です。実際熱交換器の金具で錆びて朽ちた部分もあります。
富士通がいいのでは?富士通は通常の分解で背抜きに近い状態にできます。熱交換器は,据え付け金属板に固定されたままで,宙ぶらりんにはなりません。ペットがいる,夏中弱冷房で使うお宅で,頻繁にエアコンクリーニングする必要がある場合,富士通のメンテナンス性はおススメできると思います。ノクリアとか上位機種ではなく,富士通の安いエアコンですよ。
もう一台は今回初めて洗った診察室のエアコンです。CS-226VB-W,2006年製です。(上に出てくるエアコンは406VB2-W)。化粧板はフルカバーですし,ファンの両側に障壁があり,背抜きあるいは取り外ししないとファンはもちろんモーターも抜けいないナショナル・パナソニックでは珍しい造りです。
午後4時には開院です。背抜きバージョンでも十分間に合いました。T様,今年もご利用ありがとうございました。