上中居町のM様から問い合わせのお電話があったのは今月3日でした。90センチのレンジフードと浴室のお掃除をしてもらいたい,というご要望です。
当店の料金体系だと2つ単品でも4万円になるので,1日オーダーメイドにして,何かプラスアルファにすることを提案しました。
その後,レンジフードは自動洗浄タイプだということが分かり,表面だけではなく,内部の分解クリーニングが必要だとおっしゃいます。そうなると,プラスアルファといってもあと一つのメニューぐらいでしょう。ご検討の結果,トイレということになりました。シャワートイレの分解クリーニングはできませんが,陶器部分だけならできるでしょう。Mさんとしては,ニオイが気になるそうで,飛散したものが原因ではないかとおっしゃいます。承知しました。壁面や床の除菌・消臭をメインに考えます。
今日は暖かい日でした。Mさんにごあいさつの後,場所を案内してもらいます。浴室の気になるところをお尋ねすると,カウンター下のエプロンや浴槽エプロンの下部だそうです。承知しました。
レンジフードは確かに送風経路にホコリが見受けられます。作業場所や道具を置く場所を確保して早速始めます。
クリナップの洗エールレンジフードは何度か洗っていますが,分解クリーニングは初めてです。今回の型式は,ZRU90AAQ08MSZ,2011年製です。確かに分解クリーニングが必要な症状でした。ですが製品自体が,10年ぐらい使ったら交換という発想らしく,大変複雑でパーツの多い構造でした。
まずは外観と型式シール。どちらもクリーニング終了後のものです。シールは天井側に貼ってあります。なぜだろう。
外したパーツは山積みになります。それぞれのパーツが「キレイにして!」と助けを求めています。
今回の分解はここまでです。それでも洗浄と復元までで4時間かかりました。ファンケースまで外れるかわかりませんが,外してお手入れするとしたら,ここからさらに2時間はかかるでしょう。
これがいわゆるフィルターです。今回手元にある写真の中では一番いい前後比較になりました。
今回洗エールレンジフードを分解クリーニングしてみて感じたのは,やっぱりシンプルなレンジフードが良いということです。「またそれか…」と言われそうですが,メーカーの宣伝は,お客様のイメージに訴えてよく見せているだけで,実情を見ると,それほどのメリットはありません。
クリナップの場合,汚れを落としやすい塗装をしてあり,これが洗剤に弱いです。定期的に外して洗ってあげれば良いのでしょう。ですが,レンジフードのお掃除を毎月するって難しいと思います。しなくちゃと思っているうちに1年たてば油はべたべた油に変わっています。飛び散った油粒などは堅くなって頑固です。それを優しく洗っても塗装面の風合いが変わる気がします。僕の経験では,クリナップの塗装はレンジフードに向いていないです。
レンジフードはタカラや富士工業のシンプルな縦型シロッコファン,整流板付きのものが良いです。例えばレンジフードの値段が10万円違えば,2年ごとに5回分解クリーニングできますねっ!
話が脱線しました。
僕のほうは1時間をトイレに残しておきました。壁面や床の酸素漂白をしたのですが,あまり変化が感じられません。何しろ陶器はタンク下までピカピカに拭き取られています。
ところが,簡単に外れるフィルターがかなり汚れていたので,もしかしてと開いてみます。たぶんここがニオイの原因です。短時間だったので尿石を完全には落とせていないのですが,塩素漂白したのでにおいは取れているはずです。というわけで,トイレは陶器や手洗いには触らず,ニオイ対策でした。
弟の担当はお風呂です。浴槽には同じメーカーでもエプロンの外れるものと外れないものがあります。最近の一戸建て用のお風呂は,外せないことが多い気がします。
もちろん浴槽下にお湯が入り込まないようになっていますので,中がカビだらけということはありません。
カウンターエプロンは化粧ナットで取り付けられているので,外して洗えます。気になるとおっしゃっていた浴槽エプロン下も手触りが戻りました。
見えない部分ですが,換気扇のお手入れは排気効率を高めて,カビの発生を抑制できます。
元の輝きを取り戻します。
弟は少し時間が残りましたので,洗面台も。
Mさんは途中でお仕事に出かけられ,お母さまが最後まで立ち会って下さいました。長時間ご不便をおかけしました。M様,このたびは当店へのご用命をありがとうございました。