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エアコンクリーニング,午後業務用エアコンクリーニング

前橋市天川原町のK様からエアコンクリーニングのご注文をいただきました。去年業者のエアコンクリーニングをしてもらったのだけれども,最近見たらものすごく汚れているのでお願いしたい,という内容です。

「1年で汚れるものですか?」とのご質問ですが,汚れることもあります。フローリングの床,キッチンに近いリビング,弱冷房で長時間運転する,犬や猫などペット共生などの場合,熱交換器がそれほど汚れていなくても,ファンから始まった非常に見苦しい汚れが発生するケースが多いです。なんとKさん宅はそのすべての条件が重なっているとのこと。

この場合,フィルター自動お掃除機能はほとんど意味がありません,というかあり得ない選択です。僕の観察では,フィルターから汚れるのではなく,ファンから汚れてくるからです。

一番使うリビングだから少々高くても…と高機能,しかもフィルター自動お掃除機能をまとったエアコンを奮発する心理は,消費者としては良く分かりますが,日々エアコンを洗ってる私どもとしては,最悪の選択です。一番使うリビングだから…毎年洗うかもしれないし…早く寿命が来るかもしれない…から,一番安くてシンプルなエアコンを付けて下さい。(かといって他の部屋に高機能・高価格エアコンをつければよいというのではありません。エアコンは必ず洗う時が来ます。そのことを考えると,一番安いシンプルなエアコンこそ長い目で見て良いエアコンです)。このブログを読んで下さって,リビングには富士通の安いエアコンを取り付けたよと言ってくださった場合は,何かしら御礼いたします。

今回のKさん宅のエアコンは電気式空気清浄,イオン発生装置が付いていますが,構造自体はシンプルで分解は分かりやすかったです。ナショナルCS-364VB2-W,たぶん2004年式。しかも隠ぺい配管のため左抜き,ドレンホースは左側。僕にとっては理想の取り付け方法です。太いACコードも,ストレスなく扱えます。アース配線があったので多少手間取ったけど。だけど3芯のACコードに加えてアースって必要なんでしょうか?たぶん過剰装備ですよね。電気屋さん,後で笑われるような工事をしないでね。

そんな今回のエアコンクリーニング。外したパーツと壁に残った室内機。先回のエアコンクリーニングで取り残したものと,この1年で付着したものが混在しています。

僕も過去にやってきたことなので,あまり好ましくないのですが,分解洗浄の違いを比較します。ファンを外さないで洗うと,ファンの向こう側に洗い残しが出ます。さらにファンの向こうの熱交換器の裏側はさらに難しいです。ファンを外す方法でも洗い残しはあるので偉そうなことは言えませんが,前進していることは確かでしょう?

下の2枚はこのごろ遭遇する問題です。ルーバーの真中の軸を固定するフレームなのですが,ドレンパン側がもろく,場合によっては軽く触れただけで破損することがあります。今回もかなり怪しい状況だったので,事前にエポキシで固めました。これもナショナル・パナソニックの設計の問題だと思います。

Kさんには,先回より徹底的なクリーニングだと感じていただけたようです。これよりさらに進んだ,「壁掛けオーバーホール」もありますが,そこまでは必要ないでしょう。終了後には飲み物を頂戴しました。お気遣いありがとうございます。K様,このたびはご用命ありがとうございました。

午後は当店にはあまりなじみのない業務用エアコンクリーニング。なじみがないというのは,ダクト式の熱交換器が対象だからです。

当店は業務用パッケージエアコンもかなりの台数を洗ってきましたが,ダクト式となると経験はわずかです。エアコンの構造を知っていれば,ここを洗えばいいというのは分かるのですが,何しろ規模が違いますし,今回の型式などは洗うことを前提に作っていない気がしました。三菱重工製AS 151H,たぶん15年以上経っています。

いわゆる室内機に当たる分が心臓部です。構造的には大きなシロッコファン,分厚い1枚の熱交換器,下にコンプレッサと基盤が収まっています。室外機は2台,4個のファンと4枚の大きな熱交換器,簡単な基盤で構成されています。今回は,室内機,室外機の熱交換器の高圧洗浄です。

室内機の様子と熱交換器の洗浄前後。ファンも洗いたいですが,これは専門の技術や工具がないと難しいです。何しろ重量が違います。今回は,請負金額のこともあり,熱交換器のみ洗浄しました。キレイになった感じがしませんか。僕もそう思います。それでも,高圧洗浄機で何度も繰り返し洗っても出てくる黒いカスを洗い流したという作業を経ているのです。

通常当店は重要性を考えて(特にご要望がなければ)室外機は洗いません。ですがこれだけ大きな熱交換器で,稼働時間を考えると,洗えば効率改善する可能性が高いのです。分解していくと,比較的簡単に熱交換器だけになりました。簡単な基盤が収まるボックスもあるのですが,正面からの高圧洗浄には十分耐えられると見ました。これも変わり映えしませんね。熱交換器は比較的早く攻略できたのですが,室外機の底面やさらに外側にたまった砂ぼこりと落葉,ズボンを汚しながら洗い流したことは紛れもない事実。

さて話は戻りますが,室内機の内側にはアスベスト風の充填剤が貼ってあります。それがまた洗えない素材の感じ。極細のステンレスブラシでホコリを掻きだして掃除機をかけます。写真で見るよりキレイになりました。他にも室内機に関係する部分を弟がお手入れしました。4枚目は室外機から外したファン部分。枠との相性があるので,順番に並べます。それでも復元ではちょっと力技が必要でした。

この建物は僕も当事者なのです。最近はダクト式ではなく天井埋め込み式で済ませてしまう設計が多いのですが,個人的にこのダクト式が好きです。この1台で約100㎡のいくつかに分かれた部屋をカバーできます。風除室もトイレも冷やせます。天井には吹き出しと吸い込みしかありません。それがスマートです。

もう暑い夏は終わり,これからは床暖房の季節です。このエアコンクリーニングの真価が試されるのは,来年も猛暑だった場合。しっかり観察させていただきます。

ryo:
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