珪藻土壁面のエアコンクリーニング
今日のお客様は,どちらも過去に当店をご利用下さった方です。午前は,前橋市ぬで島町のH様。最初のご注文が2011年の9月,エアコンクリーニング2台でした。
その時衝撃を与えたリビングのエアコンの汚れは,この2年で再発していました(怖 機種はNational CS407TB2-W たぶん2007年製。
条件としては,リビング使用(キッチンあり),小型犬共生。お掃除が得意な方ですのでフィルターはキレイでしたし,化粧板天井側もホコリさえない状況で,熱交換器もそれほどではありません。しかしファンと壁側化粧板の送風カーブの汚れはかなり進んでいて,ドレンパンのホース側には軽くスライムが出来ていました。ファンから汚れが始まっているという症状ですね。こうして外せばしっかり除菌洗浄が可能です。天気も良いので乾燥・紫外線効果も期待できます。
洗浄作業は,設置面の珪藻土を濡らさないための養生に気を遣います。裏側全体をマスカで養生します。据え付け板上の爪2か所と,右抜き配管の部分が難しい場所です。エアコン周辺はうまく行ったのですが,その前の初歩的ミスで下の方を濡らしてしまいました。「大丈夫ですよ」と言っていただきましたが,毎度ミスがあって申し訳ありません。(ちなみに,ピアで洗っている場合,変色が全くないとは言えませんが,ほとんどのケースで乾けば分からなくなります)。
順調に仕上がってACプラグをを挿しましたが,いわゆるイニシャル動作がありません。ルーバーを含め,まったく無反応。基盤の配線を再確認しますが問題なし。ブレーカも通電中,テスターで調べればコンセントは生きています。2年前もそうでしたが,基盤からの太いACケーブルをエアコン下部から抜くのが難しく,基盤部分で外しました。3芯で,白は基盤前面,黒は基盤上部奥,緑は下部アース板に固定されています。その黒のあたりがあやしい。基盤を裏から見ると剥げています。
こういう風に剥げると,半田を盛っても直りません。メーカーなら基盤交換だと思いますが,この暑い時期にリビングのエアコンが使えないのは厳しすぎます。基盤箔のコートを一部剥がして,その部分に通電するよう半田加工します。それにしても,200Vを扱う場所としては弱いと感じるのは僕だけでしょうか。室内機のACケーブルも曲げにくいほど太いし,ここを通って室外機に行くVVFケーブルは2ミリの銅線を使うことが決められています。アンバランスを感じます。
もう一台は一度見せていただいたことのあるダイキン製。こちらは設置面がクロス張りということで,気持ちが楽です。AN22KNSK-W 2009年製。これがたつさんの言っている,ビス一本で基盤が抜けるタイプかな。
モーターはリニアモーターのように非接触状態で回転力を与えるタイプ。カバーを外せば,簡単に抜けます。この内側にある樹脂パーツもかなりいいところまで外れるのですが,今回は見合わせました。ダイキンは室内機を外して洗うという思想なので,こうして据え付けのまま洗おうとする場合,外せないパーツがあると考えています。外さなくても背抜きで対応できますが,今回の汚れはそれほどでないと判断。ファンを残したまま洗います。それでも,モーターも基盤もないから気持ちよく洗えます。
2台で3時間半。基盤の補修でちょっと時間オーバーしました。Hさんにはねぎらいの言葉とお茶をいただいて撤収。毎度ありがとうございます。
午後はやはり2年前の秋に床の剥離洗浄+ワックスのご注文を下さった前橋市田口町M様。今回はエアコンクリーニング2台のご注文です。奥様も平日は働いていらっしゃるので,お母様が対応してくださいました。
このお宅も珪藻土壁面です。グリルにPLAZMAと表記されていて,東芝の面倒なタイプかなと思ったらコロナ製。最近こんなのやったなあ。CSH-Ai403G2 2003年製。不思議なのは,スイッチを入れてもすぐには開かないルーバー。熱交換器が冷えるのを待つのでしょうか。基盤内部のコネクタ位置がこういう高機能エアコンに慣れていないメーカーを感じさせました。ルーバーの配線はすぐ外せる位置にお願いします。
コロナ製のエアコン据え付け板は上の爪が三角にとがっています。下はエアコンの最下部ではなく,中ほどに固定爪があるようです。上の爪で穴があかないよう気をつけながら養生。ただ壁側化粧板の天井側に奥行きがあり,ここにタオルを挟めば背中に行く水流はかなり防げます。こちらも何とかひどい水漏れは起こさず洗えました。
こちらもリビング設置,キッチンあり,南向きの部屋,お子さんは,ここで寝るとのこと。使用条件としては汚れが加速する場所です。電気式空気清浄機能,イオン発生装置,脱臭フィルターなど外せるものがたくさん。ルーバーを含め,全部カビで汚れてしまっています。この機種の電気式空気清浄機は,洗いやすい設計で感心しました。コネクタは1本にまとまっていて,基盤部分はビス1本で外れるので,フレームもセルも洗いやすいです。
エアコンは冷房時に結露する作りなので,空気清浄機能,イオン発生機能とも十分な性能を発揮できないと考えます。除菌・脱臭どころかそのパーツ自体がカビだらけになって「助けてくれー」と言っています。エアコン内部に組みこむとそれ自体が汚れるだけの,要らないパーツだと思います。買うとき高くて,効果が無くて,メンテナンスを面倒にする…いいところがありません。下の写真には,隠れていますがそういうもろもろのパーツが重なり合っています。
2台目は寝室設置のやはりコロナ製。見るからにシンプル設計です。CSH-BV251 2003年製。汚れも少なく,洗うときにいくらかカビのニオイがした程度。10年お使いになったので,一度リセットするのがいいですね。構成が分かりずらいですが,上2枚の写真はリビングのエアコン熱交換器と壁側化粧板です。下2枚が寝室エアコンのパーツのみ撮影しています。
お母様がわざわざお茶を買いに行ってくださり,「冷たいうちにどうぞ」。私どもも脱水や熱中症には気をつけていて,適宜水分補給しています。それでも,冷えた飲み物は,お気持ちとともに嬉しいです。
作業時間は3時間15分,長い時間お付き合いいただきまして,ありがとうございました。
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