エアコン工事の練習
エアコンクリーニングをしていて,取り付け方に難を感じることがありました。クリーニング(メンテナンス)しやすいのは,上下左右に余裕のある取り付けです。東芝の場合は,左側がエアコン幅と同じくらい空いている方が良いです。もちろん室内・室外の事情でやむを得ない状況もあり,それは仕方ないと思います。
また,「この工事はあまり美しくないな~」と感じることもあります。かといって,僕が美しい工事ができるかと問われれば答えに窮するのですが,イメージはあるのです。
エアコン室内機を完璧に洗うためには,室内機を外す必要がります。僕は外せますが,取り付けに必要な道具がありませんでした。道具の主な内容は真空ポンプとゲージとホース,フレアナットを規定トルクで締めつけるためのトルクレンチです。銅管のフレア加工をそのまま使うこともできますが,理想は銅管カット,フレア作り直しです。そうなるとフレア加工ツールが必要です。
もちろんこういう専門的な道具なしで,フレアはそのまま,エアパージを冷媒でやってしまう方法もあります。
エアコンは軽く10年以上動かせる家電なので,1年動けば良いという取り付け工事はできません。もし配管を扱うのであれば,10年大丈夫という工事がしたいです。
そんな思いで,今月初めにエアコン取り付けに必要なものをさまざま取り揃えました。参考にしたサイトはこちら。こういう方がいるんですね。僕は大好きです。DIYでは,「素人がここまで手を出してはいけなかったのか?」と思う局面があります。それを乗り越えている記録です。正直で,その時の気持ちまで手に取るように分かる素敵なブログだと思います。
さて,前にも書きましたが,エアコン工事は資格が要りません。(コンセントをいじるとか,アース新設とかになると電気工事士の免許が必要です)。だから参入している方も多く,施工者の質の上下の幅が大きくなり,注文した側からすると「思うようではなかった」というトラブルが発生します。コンセントやアースはすでに工事済みで,配管を通す貫通穴もあれば,質の良い工事・見栄えの良い工事ができるかどうかの,施工者の技量・裁量の領域になるのです。
お客様にサービスを提供するに当たり,まずは練習が必要です。練習にうってつけは自宅です。僕は昨年春にこの賃貸住宅に越してきましたが,その際,3台のエアコンを施主支給で友人の電気屋さんに配管してもらいました。機材はヤフオクで購入,2.2キロタイプ新品送料込1台3万円。大好きな富士通製です。
平屋ですから当然のように室外機を地上に設置してもらったのですが,ブロック建て平屋根ですので,屋内階段もあり階上へのアクセス良好,室外機を屋根上に上げることもできるのです。
いままで地階に設置されていた室外機をいったん外し,既存配管をそのまま使い,屋上へ室外機を移動する。いつやりますか。「今(しかない)でしょ」。
ポリカーボネイトのひさしを加工するとか,保護テープを全部剥がしてドレンホースを独立させるとか,配管(ペアコイルとVVFケーブル)を無理な力をかけずに上向きにするなど画像にはないさまざまなことが関係します。
そういうところは省いて,配管を屋上に上げて変な癖のところからバッサリ切断の画像。
2分3分のどちらも接続前に変な癖が付けられていたのでバッサリ切りました。切った後に(ここが重要なのですが)バリ取りをします。リーマーと呼ばれる道具を使って,切り口の内側を面とりし,なおかつ切断面をやすりがけ。この部分,切りくずが配管内に残らないように配管下向きの作業です。ある程度目見当でやって,切りくずが残っていないか確認します。僕がやると屑が残るので綿棒でかき出しています。
その後,フレア加工。操作性と値段という両面で魅力的なFUSOのフレア加工ツールです。ひじの負担軽減と操作性にこだわって偏芯コーン,ラチェット式です。このフレア加工は冷媒配管接続の命と言える部分で,内側はキレイに鏡面に仕上がるのが理想です。メタルタッチだと思います。接続される両側が滑らかで均一な表面になると,締めつけたときに,気体さえ漏れない密着シール機能が実現するのです。フレアツールの色移りがありますが,キレイに仕上がりました。フレアが仕上がれば接続です。ここで必要なトルクで締めつけるトルクレンチの登場です。3分(太管)の方からつなぎました。ここはビビらず思いっきり締め付ければOKです。
冷媒配管の接続が終われば,いよいよ真空引きです。真空ポンプを使って,室外機の出口入り口から外側の配管内を真空乾燥させます。配管内部に水分・油分・空気を残さないように念入りに作業しました。マニュアルの説明では家庭用で15分の真空引きです。冷媒ガスでエアパージなら一瞬の作業。ポンプを使った真空引き15分,ポンプを止めて確認5-10分の気密試験を行なうのです。
微量でもフロンガスを大気放出しない,そしてR22より繊細な冷媒ガスR410Aの性能を引き出すために,時間と手間をかけるのです。このあたりは,アベ冷熱技研ブログから勉強しました。
ゲージを振り切って?固定しました!
青のチャージホースはボールコックが付いています。今後ガスチャージもやろうと思ったら,コック付きのホースがあると便利かなと思ったのです。
真空ゲージの配管はゲージによって違います。このゲージは横がポンプ,下がエアコンです。説明書をみながら作業します。コックを開け閉めするタイミングを間違えばゲージ内部のセンサーを壊してしまうからです。
そして,室外機への配管保護テープの仕上げ。電気屋さんの加工と比較します。まだまだ改善の余地はありますが,僕の美観に添って仕上げています。
コメントありがとう