現状回復とも呼ばれますが,当店メニューの入居前クリーニングとさせていただきます。3年ほどご使用になった賃貸マンションを,オーナーのご負担でクリーニングします。とはいっても僕はオーナーを存じ上げません。このマンションの販売時にお世話になったH様からのご紹介です。
現状回復は,借りていた人の負担でしょうか。それともオーナーの負担でしょうか。今回のケースでは,契約書にオーナー負担と明示されていたそうで,問題はありませんでした。ですが今でも,借主負担で敷金から差し引くケースが多いと思います。国土交通省が現状回復をめぐるトラブルとガイドラインを公開していて,貸主と借主の負担の割合を詳細に提示しています。これを見ると,通常の生活での汚れは家賃にそれを織りこみ済みとしています。この考え方によれば,次の人に貸し出すための現状回復は,ほとんどオーナーの負担です。たばこを吸ったので壁が変色した,壁に穴を開けた,床板を見苦しく傷つけたなどは,「通常の汚れ・経年変化」を超えるので貸主負担になります。その場合でも,長く借りていれば,借主の負担割合が軽減します。
話がそれましたが,当店としてはオーナーのためにも,これからお住まいになる方のためにも,しっかりクリーニングして,新しい生活を気持ち良くスタートできる環境を作りたいと思います。
浴室に入ると真っ白な鏡と混合水栓。水あかを落とせば,新品の様になります。これだけ鏡が曇っているということは壁面も白いです。写真にはありませんが,壁面の反射も取り戻します。
見えなくなってしまう場所もしっかりと。ウォシュレット便座も,ひっくり返しても大丈夫です。
人造大理石の表面のカサカサ(水あか)が取れると,アイボリーの輝きが戻ります。写真ではあまり変わりませんが,人の目には大きく違いを感じます。洗面台と浴槽ヘリのクリーニング前後です。
キッチンシンクも目が行く場所です。今回は奥に向かって縦に磨いてみました。それから,天板も汚れしかなかったのでちょっとサービス。研磨してみました。一応つや出しもしましたが,グロスアップ800の仕上がりです。もともとがタカラの艶けしでしたので,この程度が良いかと。
このマンションでも,バルコニーに鳩糞問題があります。全くあきらめていらっしゃるのか,時にはものすごいバルコニーも見かけます。この部屋はエコキュートの貯湯タンクに網をかけて防御していらっしゃいました。たぶんそれより前のものでしょう。「洗い流せなかった」形跡の鳩糞の蓄積があります。この際しっかりリセットし,バルコニーシート全体も黒ずみを洗い流します。
ガラスもキレイになれば,細かい部分に手が入り始めます。リビングドアの手あか,換気口付近の壁紙の汚れをピアで洗いました。
これは借主負担。壁紙の破れと,床の傷のリペア。これはちょっと自信がないのですが,実際目立たなくなったので良しとします。本格的な補修を希望される場合は,リペア専門の職人さんをご紹介できます。
レンジフードの写真がなかったですね。クリーニングが要らないと思ったのですが,開けてみると指に感じる油汚れ。意外に汚れていました。タカラ製ですのでサクッと分解クリーニング。照明は曇ったガラスを透明に,床は洗浄・ワックス。エトセトラ的な写真4枚。
きちんと手を入れれば回復する,まだ傷みのないお部屋でしたので,私どもとしても楽しいクリーニングでした。洗剤はピアとBBクリーナー,漂白剤が主で,しっかり洗い流して仕上げてあります。お部屋にも優しいクリーニングをご提供できたと思います。
当店のクリーニングは,いわゆる現状回復クリーニングに較べると,単価が高いと思います。オーナーさま,ご了承くださり,ありがとうございます。ご紹介下さったH様にも御礼申し上げます。