H様からのご依頼で、このところ続けて中古住宅(リフォーム済み)の引き渡しクリーニングをさせてもらっています。主な作業は掃除機がけ、窓ガラスと枠、建具と設備関係の拭き上げ、最後に床のお掃除です。
ほかの職人さんの作業が重なることもあるのですが、「掃除の日」ということで気を遣ってもらっています。恐縮です。
私どもがお掃除に入るころには外観も内装も見違えるようになっているのですが、既存部分に「想定外」の作業が発生することがあります。例えば、戸袋をふさいでいたテープの跡。普段使わない雨戸の戸袋には、コウモリや鳥が巣を作ることがあります。それを防ぐ目的でテープで口をふさぐ、のはよくあることです。
このテープは「カットエース」という糊(粘着剤)残りが少ない特殊なテープで、このテープを選んだことは見識を感じます。他にも、日東電工のさくら色というテープも糊残りが少ないという機能性があり、建築現場ではよく見かけます。
ですが、貼られている期間が長くなると、テープ素材そのものが劣化します。テープ素材が生きていれば、粘着剤を残さずキレイにはがせますが、テープがボロボロになるとテープ素材を剥がすだけでも大変、しかも粘着剤が残ります。
ということで、想定外の時間と手間を取られるばあいあがあるという一例です。このお宅の場合、居室に使われていたであろう2階の各部屋には、窓枠にビニルテープが貼られていて、テープを剥がした後に残る粘着剤除去が必要でした(涙
次は、この2日間で仕上げたお宅です。昨日来たときは1階リビングの床養生が残っていて、その上に2階から剥がしたものが山になっていましたが、午後すっかり回収してもらい、その仕上がりはお掃除が済んだかと思うほどでした。
一つ目の想定外はベランダの汚れ。窓枠にも感じたのですが、タールのように感じる付着物があり、それが砂を噛んでいます。一体何だろう。特にベランダ床面のものは厚みがあって、塗装前に除去した方がいいでしょう。苛性ソーダで緩めて、スクレーパーとステンレスブラシで落としました。ここまで行けばいい感じで塗料が乗ると思います。
2階が終わったので1階の窓に移行したのですが、勝手口で冷や汗。この窓枠の油汚れは年季が入っています(築24年)。壁紙はきれいに張り替えられていて、順序としてきついです。写真に撮ったのは側面ですが、問題は枠の天井側です。
例えばキッチン収納の扉面に油汚れを感じるとき、収納の天板や扉の天井側はすごいことになっています。がっつり洗える状況ならいいのですが、周りが新品の壁紙。アルカリ+アルカリイオン水、刷毛、竹串、スミッコブラシなどを使って何とか落としました。
午前中に資材が届いたのですが、待たれていたダウンライトと玄関灯でした。「荷物は来た?」と電気屋さんが登場。サクサクと天井に埋め込みます。「もう掃除は終わりかい?」と聞かれるので「これから洗います」って言ったら驚いていらっしゃいました。
マイクロファイバーで拭き取ればかなり回収できるのですが、水を媒体として使うことによって、より回収率が上がります。特に壁際や巾木の下の隙間からの回収に期待しています。
お昼頃から降り始めましたが、午前中何とか持ってくれたので助かりました。予定通り2日で完了です。H様、毎度ありがとうございます。