昨年5月に,お母様へのプレゼントで浴室のクリーニングをご注文下さったN様。このたびはご自宅アパートの水周りを頼んで下さいました。ありがとうございます。
ご希望内容をメールでも送ってくださり,レンジフード以外のキッチン,浴室,浴室換気扇,洗面台とのことでした。イメージとしては浅く広く,目に見える部分をキレイにしたい・・・。当店人気メニュー半日オーダーメイドのご注文です。
前の日に夢を見ました。キレイな浴室で,どこをお掃除したらいいのか分からないと悩むという内容。初めて伺うお客様の家のことを考えて,お掃除に絡んだ夢を見ることが良くあります。
外観は現状回復で良く見かける感じの造りでしたが,間取りが面白くて,奥行きの浅い間仕切り壁があります。それを使ってキッチンの横に収納コーナーがあり,反対側には洗濯機スペースがあります。主婦の動線を考えたんでしょうね。
キッチンも浴室も洗面台も,キレイに使われています。水あかもほとんど感じられず,石鹸カスも目立っていません。いつもの通り,浴室は弟に任せて僕はキッチン。ぱっと見た感じでガスレンジが目に入るので,天板と五徳に手を入れることにしました。天板はテフロン塗装です。「コゲは落とせないかもしれません」と言って始めました。
まずは,オレンジクリーナーを塗ります。これはリモネンを主な成分とした水性溶剤です。コゲに効かせるために,しばらく寝かします。
Nさんは,シンク上のステンレス水きりのことをおっしゃっていたので外して洗います。正面窓も枠やビートに油汚れが見えるので洗います。このあたりは熱々ピアで十分です。ステンレス水きりは,良くあることですが表面のコーティングが剥げ剥げです。使用上傷が付いているところに強アルカリで洗うとこうなります。それにしてもステンレスにコーティングする必要があるんでしょうか。油が落ちてもすっきりしません。
壁面やガス台下を洗ってから,天板と五徳に入りました。天板はプラケレンでかなりコゲは落とせました。五徳は・・・コゲが取れると腐食が目立って見栄えがしません。残念。久しぶりにバーナートップは酸で色を出してみました。
こうして見ると,前後で五徳は向きが違いますね。五徳は苛性ソーダなどの強アルカリを使うと表面が傷んだり,洗った後にじわじわと内部から腐食する傾向があります。もしかしたら,以前マジックリンなどの油専用洗剤で頑張ったことがあるのかもしれませんね。
下の写真は懸案の浴室換気扇です。どうやればいいかわからないのでということでしたが,これはご家庭では無理です。
もう一枚は浴室カランと洗面台。どちらも劇的ではありません。まあNさんが「キレイになった」と喜んで下さったので良しとします。
僕の方も最後にささっとシンクを磨いて終了。ステンレスが硬めだったので,スポンジペーパーでヘアラインを入れる感じで磨きました。
最後にお茶を頂戴して撤収。N様,お掃除貯金して私どもをお引き立てくださり,ありがとうございます。
次の日の晩,Nさんからお電話がありました。「ガスレンジの炎が緑色なんですけど大丈夫ですか?」。
それは銅の燃焼反応です。酸に漬けて色を戻した関係で,しばらくの間色が出ます。虹色のでるろうそくがあるそうですが,炎の色は金属に由来します。それに似たものとお考えください。参考までに銅の炎色反応 You Tubeをご覧ください。ご心配をおかけして申し訳ありません。