当初インテイリアのお店から、「大理石のテーブルにコップの跡がついてしまって消えない、もともとの光沢に戻せるでしょうか?」という問い合わせがありました。何とそれが当店のお客様であるY様邸のテーブルだったんです。下見させてもらって、僕はグリジオカルニコだと思っていたのですが、グレースターダスト、という比較的新しく発表された石種だそうです。ダイニングテーブル「ハワード」
この案件、大理石メンテナンスの師匠新井田さんのブログに似た内容があり、まさに同じ製品と思われます。ワインや炭酸が大理石のカルシウム成分に作用して艶が引けてしまうんです。
これを防ぐためには、しっかり膜を作る方法でコーティングする必要があります。今から5年前にY様邸のダイニングテーブル、約半年にわたって試行錯誤して、ほぼやり方が固まりました。
コーティングしていても、5年も経つとY様曰く「日常使い」なので表面が荒れてきます。試しにコンパウンドで磨いてみたのですが、戻りません。それではと思ってコート剤を上塗りしてみましたが、やはりツヤツヤにはなりません。
そんな経過で、昨年の大掃除の時に、「春になったらテーブルを磨いてほしい」と声をかけてもらったので、本日メンテナンスしました。
先回より無駄が少ないはずと思って試してみたのですが、失敗。水の重みが加わると養生が決壊しそうです。
作業中に養生が剥がれると目も当てられないので、全部やり直しました。これで安心です。
無水アルコールでコート剤が溶けると思ったのですが、反応はあったものの剥がせませんでした。マイクロポリッシュ#5(800番)でコート剤の剥離、下地作りをします。
続いて日本研紙の1500番で磨きます。1500番はまだ下地作りの段階ですが、十分光沢が出ます。さらに3000番まで使えばツヤツヤになりますが、コーティングをするので、経験上1500番で十分です。
コート剤には日本ケミカルのタイルガードプロを使います。磁器タイルなどへの加工を想定していて、施工方法は「塗布して拭き上げる」、となっていますが、塗りっぱなしです。
もっと美しく仕上げる方がいらっしゃいますが、塗布直後。5年前の時は規制線が甘くて、コート剤が乾く前に紙袋を置いてしまった!ことがあったので、4時間ほどご不便をおかけします。
一度自宅待機して、17時に来て様子を見ます。指触乾燥を確認して、養生撤去、テーブル位置復元。9時から始めて17時でお引き渡しです。また数年、経過を見て行きます。Y様、毎度ありがとうございます。