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黒系大理石

以前石材加工会社に立ち寄らせてもらった時に,いただいた大理石サンプルがあります。サンプルというか,施工時に傷が入って使わなかったものということで,この分には裏側にメッシュが接着されています。黒系大理石で,「ネロクラシコ」ではないかと思うのですが,正確な名前は専門家にお任せします。サイズは400ミリの正方形です。

実際に貼られている大理石を磨く場合は,14インチのポリッシャーを使いますが,小さなサンプルですので,フチオカのポリッシャーを使います。ダイヤモンドパッド自体は直径100ミリの円形で,ドーナツ状に中心に穴加工されているので,センター注水のフチオカを生かすことができます。

擦り傷は手のひらサイズでしたので,部分的な傷取りで十分でしたが,良い機会ですから,全面400番スタート。400×400ミリでスタートし,養生テープの幅ずつ番手をあげていきました。400から1500までは先が見えず,研磨痕も感じられて我慢が必要です。銀ちゃんから,800番でしっかり磨くことを教えられていますから,時間をかけました。

石が黒いのでわかりやすいのですが,とぎ汁があまり濁らなくなるというのが一つの目安だと思います。また,研磨中,回転時に乾く部分が出るようなら水量を増やします。そんなふうにやっていても,1500までは研磨痕が見えました。

3000番になると,全然気持ちが変わります。明らかに鏡面再生が始まっています。5000,8000になると,言われなければ差が分からないです。

そして,床で使う大理石には必須のコーティング。当店が使うコート剤は,モース硬度7です。(モース硬度はひっかき傷に対する強さを表し,最高は10のダイヤモンドです)。大理石自体の表面硬度は4程度ですから,傷に強くなります。また,塗布後に余分をふき取るので,コート成分の分子が数珠状に膜を作り,外からの水分は通さないけれども内側からの湿気は抜ける,という性能があります。息ができる石材は劣化しにくいです。今回は色目が黒ですから,色に深みが出て光沢も向上。

玄関に黒い大理石を使っているお宅も結構あるのではないでしょうか。真っ白になるほどではなくても,歩行傷でくすんでいると思います。いったん傷の深さの分まで磨いて,その後光沢復元すると再生します。たいていの場合,新築時よりツヤが上がります。

きれいに磨き込まれた大理石は,魅惑的です。

ryo:
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