エアコン2台とレンジフード
吉井町のK様から電話でのご注文。室外機1台に2台の室内機がつながっているタイプのエアコン2台とレンジフードのお掃除をしてもらいたい。エアコンは以前に洗ったことがあります。ナショナルだったような…よく調べたら先回は2011年5月で,やはりダイキンでした。ドレンパンが独立して外れたけれど,モーターとファンが外せずに洗ったと記録にあります。
朝到着すると,Kさんはお仕事に出ておられて,奥様と元気なワンちゃんに出迎えてもらいました。しばらくすると,Kさんもお帰りになり,「よろしくお願いしますね」。
エアコンは交換されて新しい室内機,やはりダイキンです。
今回洗う物の型式はC36NTV-C,2014年製です。1台は和室の塗り壁に吊り金具を使って設置されています。以前は壁に直接据え付けてあった気がします。
通常和室用の吊り金具は2枚組で,上の金具を廻縁に,スライド式に組み合わせてある下の金具を長押にビス止めします。ですが最近は上から吊るだけになっているケースを見かけます。
室内機のサイズの関係か,右側が柱にかかっています。これに合わせるために金具は壁面から30ミリほど浮いています。本来なら下の金具も使うところですが,後付け感があり,見栄えが悪くなることでしょう。そこで上の金具だけ使い,浮いた状態の最下部に小さな角材をはさんで壁面に固定していました。こうすることで据え付け板全体が固定されます。真下まで来ると左抜きの隠蔽配管が見えてしまうのですが,エアコンクリーニングを含め,メンテナンス性は良いのではないかと思います。
ダイキンなので壁掛けオーバーホール対応です。隠蔽配管なので室内機はかなり自由になります。「あそこまで分解するから時間がかかるんだね」と奥さんが感想を漏らしていらっしゃいました。2シーズンご利用だと思います。熱交換器はそれほどではなく,ファンから汚れていました。室内機に隠れる部分でちょっと濡れましたが,漏水は起こさずに完了。
もう一台は寝室のクロス壁に設置です。熱交換器は前後が分からないと感じて撮影せず。ファンとドレンパンの洗浄前後です。壁掛けのままの場合,左に十分な空間があればファンは何とか抜けると思いますが,モーターを外すのは難しそうです。ダイキンと東芝はいつまでドレンパン一体型を続けるのでしょうね。
午後一番で2台目を復元してからレンジフードへ。たぶん20年物のレンジフードでしょう。奥様が体を悪くしてから4年ほどは手付かずになってしまったそうです。レンジフードの前半分が外れるとアドバイスをくださったので,ご自分でメンテナンスされていたことがよくわかります。
クリナップのレンジフード,シロッコファン型です。ベルマウスは大きな四角い鉄板型で,フード全体をカバーしていました。我ながら期待できず,フード内の洗浄前を撮りませんでした。まるで舞台の天井にかかる幕のように,油と埃でできた膜が下がっていたんです。Kさんも奥様も分解洗浄中に何度か様子を見に来られて,ひどいねとか,悪いねとか,あんなにきれいになってとか感想を言ってくださいました。
そんなレンジフードのビフォーアフター。フード内もリセットできました。塗装が強かったです。ホーロー塗装並みでした。というよりホーローだったのでしょう。二人がかりで3時間。「新品のようだ」と喜んでもらいました。
こういうケースで難儀するのがシロッコファンです。ご家庭のお掃除でファンの油を完全にとることは難しく,たいてい取り残しのまま戻されます。いったん洗剤で溶けた油は,その後の使用で硬く締まる気がします。さらにファンの金属表面とも結合が強くなるのでしょう。今回も目で見れば汚れ落ちが分かるのですが,見栄えが悪くてお掃除前後の比較とはいいがたい写真になったのでボツ。ご家庭でのお手入れでは,毎月であれば何とかなりそうですが,年に1度ぐらいのペースの場合は,ファンは触らないほうが良いのではないかと思います。
奥様に「大変で悪かったね,でもきれいにしてもらえてありがたい」とねぎらってもらいました。私どもとしても満足できるレベルに戻せてよかったです。K様,このたびもご用命ありがとうございました。
[…] 「壁掛けオーバーホール」というのは,壁に掛けたまま熱交換器を支えるボディーを外してしまう洗い方です。「背抜き」という方もいます。冷媒配管を外していったん室内機を丸ごと降ろして洗う方法をオーバーホールと考え,それにほぼ近い洗浄効果が得られるけれども,熱交換器自体は壁に残すので,「壁掛けオーバーホール」です。ちなみに,この前の記事でダイキンを壁掛けオーバーホールしています。 […]