ダイキン、ファンモーター交換
先週2日かけて、ダイキン天井埋めラウンドフロー6台を洗いました。その1台目、作業開始から約1時間後に事故を起こしました。
1台目の洗浄作業が終わったので、2台目の分解に入る前に養生を移動し始めたんです。目の高さぐらいに養生(シーツ)が掛かっていて1台目の基板やファンモーターが置いてあり、それをすぐ近くのパレットの上に移動することにしました。
衝撃で記憶が飛んでよく覚えていないのですが、状況からファンモーターが載ったままシーツを持ち上げたのだと思います。ゴン!と音がして、地面にファンモーターが落下、モーター背面の鉄板が外れていました。軸を回そうとしましたが回りません。さらに途中から角度が変わっています。普段なら写真を撮るのですが、慌ててしまっていて、まったく記録がありません。
あとで指摘されたのですが、こめかみすぐ上に裂傷があり、流血の小参事。一体その瞬間、何が起こったのだろう。落下を意識してシーツを上に持ち上げ、上に弧を描くようにファンが落ちる途中で頭に当たった、という筋書きかもしれません。
ファンモーターを取り寄せて交換するしかないのですが、1台の室外機に2台の室内機というマルチ構成だったので、いったん組付ける必要があります。軸が回らないのだからモーターを接続すればエラーが出るだろうし、かといってプラグを外したままにすれば接続確認でエラーが出るだろう・・・、と暗くなっていました。
この日、島田さんが手伝いに来てくれていたのですが、僕があきらめたモーターを真剣に診てくれて、「回るよ!」と差し出してくれました。モーター軸全体が背面側にスライドしていたらしく、背面側から押し戻したら回ったんだそうです。そして外れた鉄板も上手にはめ直してくれました。
軸の曲がりが問題でしたが、ファンをはめた段階で調整しようということになり、組付けます。軸のどこで曲がったかで違うのでしょうけれども、軸先のネジ部分が少し出た段階でファンが入らなくなりました。仕方ないので、締め付けのナットでぐいぐい押し込みました。残念ながら、軸周りの緩衝用ゴム、モーター固定部分のゴムブッシュが応力を吸収してしまうので、ファンで軸の曲がりを調整する(戻す)ことはできませんでした。
ナットを既定の位置まで締めたので、通常通り復元して試運転してみました。軸の回転に伴う異音もないですし、ファンがどこかに当たるということもありません。ファン中心のナットがかすかにぶれているのが確認できる程度です。この程度は許容範囲なのかもと思える状況でした。
とはいえ、長い目で見れば問題発生の火種を残すことになります。まずは交換できるモーターがあるか調べましょう。
ここから「ダイキン、いいね!」と思った次第です。
まず、以前に登録していたWEBパーツリストにアクセスします。今回の型式FHCP140ABを入力すると左2/3が展開図、その右が部品リストのPDF資料が表示されます。部品リストの「E23 1686755 ファン電動機(直流)」をクリックすると、部品プロパティのポップアップが出て、詳細が分かります。2008年製(16年経過)のため、部品の在庫はありません、が「代替品検索」ボタンがあるので押します。「特定しました!」と代替品の品番が出ます。チェックを入れて選択ボタンを押すと、部品代と在庫数が表示されました!
代替品の品番は2493040で、これをダイキン工業コンタクトセンターに注文すると日曜日の6時注文で、9時に発送連絡、月曜日のお昼前に佐川急便代引きで届きました。早い! 部品代、梱包費代引き送料330円込みで14,410円って良心的!
届いた箱の中には伝票と一緒に交換要領書(図解)も入っていました。このモーターを使う型式のエアコンは他にもたくさんあるのですが、今回の型式に適合した説明書でした。担当者の気遣いが感じられます。素晴らしい!
さてファンモーター交換なら一人で行ってできる内容なのですが、今回のエアコンの設置高さが3.7メートル。さらにファンが抜けないのでギアプーラーあるいはハンマーを使う予定。高所にて足場を安全に確保しながら、ファンを外し、外れてきたファンを受け止めるには釜爺みたいな腕が必要です。ですので、弟に同行してもらい、脚立も2台立てました。
持参したギアプーラーは、寸法が足りませんでした。アームに150mm欲しいし、できれば3爪がいいです。もっとも、爪をかけるのが樹脂製のつばなので、爪が入っても外れたかどうかは分かりません。
最後の手段はハンマーです。モーターを再利用することはないので、出ている軸をたたけば軸が押し込まれるか、あるいは反作用でファンが外れるはず。一発で外れるのを期待していたのですが、カンカンカン・・・と冷や汗をかくほどたたいていたら、スコン!と外れてきて、弟がキャッチしました。
既存のモーター、外される前の姿。
新旧交代式。
防振ゴムを付け替えて、室内機に取りつけます。ハーネス(配線)を固定して出来上がり。ちなみに、ハーネス長さは新旧同じでした。
普通に運転するだろうと思ってスイッチを入れたのですが、ファンが回転するまで少し時間がかかって、やや汗。ファンが回転をはじめ、しばらくするとリモコン指示通り「強」で回転しました。ファンを固定しているナットもぶれずにきれいな回転です。
16年経ったエアコンでも、代替部品があって修理交換ができる、というのは業務用設備機器にとって大事なことだと思います。そんなわけで「ダイキンいいね!」と思った次第。その前に、「ファンモーターを落すなよ」という皆さまのご指摘に異議はありません。
コメントありがとう