光らせるだけではない
写真は3枚一組で,すべて作業前→剥離洗浄後→ワックス塗布後の順に構成しています。剥離洗浄は,本来の床表面を回復するために,以前に塗ったワックスを溶かして除去する,一番大がかりな洗浄方法です。 [スライド表示にFlickityを使用しています。]
ワックスを塗れば光沢が上がって気持ちがいいです。ですが,私どもプロの目から見ると,下地がきちんと整っているかが気になります。これからワックスを塗ろうとしている床に,汚れが残っていないだろうか。以前に塗ったワックスが部分的に剥げていたり,塗りムラがないだろうか。ワックスにゴミや汚れが抱き込まれている,全体に黒ずみ始めているなどの問題はないだろうか。
ほとんどの方は,きちんと汚れを落とした後に,上手にワックスを塗って,均一で美しいツヤのある床面に仕上がることを期待されていると思います。その期待にこたえるためには,ワックスを塗る前の下地が整っている必要があります。場合によっては,この下地作りの方に時間も手間もかかることを,どうかお見知りおき下さい。ワックスがけは,ワックスを塗って光らせるだけではないのです。
下地を整えるための最も軽い洗浄方法は水洗いです。水の力を使ってホコリや汚れを除去します。それで足りない場合は洗剤やパッドの力で表面洗浄します。この場合はポリッシャーを使うこともあります。
最も強力で大がかりな方法が剥離洗浄です。以前に塗ったワックスの状態に問題があり,表面洗浄では改善できない場合に必要です。強アルカリや溶剤の力を使ってワックスを溶かし,取り除きます。フローリングの場合,剥離洗浄は,小さな区画に区切って手作業で進めます。手間も時間もかかりますが,その床材本来のキレイな表面と色合いを取り戻すことができます。
当店が床のワックスがけで目指すもの
床の材質・状態・お客様のご要望
- 下地を整える★★★
主に新築の場合は水洗いです。水を使って目地や床表面の汚れを浮かしてバキュームします。水洗いでは足りないと判断した場合,汚れを落とすために洗剤を使います。すでにワックスが厚くなっていて,こすりキズが目立つという場合は,研磨効果のあるパッドを使ってポリッシャーを回します。ワックスを剥がさなければキレイに仕上がらないという場合は剥離洗浄します。お客様のご要望が第一ですが,床材や現状に合わせてご提案いたします。
- 密着させる★★★
最近のフローリングは表面加工に様々な工夫がされて,樹脂ワックスと密着しにくくなっています。密着の良い下地剤を塗る,あるいはフローリングとの密着を高めた専用ワックスを使うといった方法で,ワックスが剥がれないように対策しています。
- 汚さない,塗らない★★★
気を抜くと,作業中に壁などを汚してしまいます。気をつけていても飛沫が飛ぶことがあります。養生する,汚したらすぐに拭きとるなど,他の場所に汚れを残さないように気をつけています。ワックスを塗らなくてもいいところに塗らないようにします。巾木などの立ち上がりや敷居に塗らないように,際は刷毛で塗っています。
- モップさばき★★☆
どんなに気をつけていても,ワックス塗りではホコリを抱き込んでしまいます。塗る前のダストコントロールやモップのお手入れも当然ですが,ワックスを塗るときのモップさばきは重要で,できるだけホコリを残さないように,また目立ちにくいように動かします。
- ワックスの限界☆☆☆
どんなにキレイに塗っても,水性樹脂ワックスの表面は比較的軟らかいので擦り傷が入ります。濃い色の床にワックスを塗ると,あっという間に歩行部分が白っぽくなって見栄えが悪くなります。濃い色の床の場合は,ノーワックスの床材を使うか,もっと硬度の高いコーティングを施工することをお勧めします。
*床の色あせ,表面の痛みは水性樹脂のワックスを塗ってもほとんど改善しません。
床のワックスがけ前後の写真です
戸建住宅の床暖房されるフローリングです。床材表面との密着が悪く,働き者の奥様の動線のワックスは剥げてしまっています。さらに残っているワックスは黄変していて大変見苦しい状態。どんなにお掃除してもこの黒い感じが取れないのはかなりストレスだったことでしょう。剥離洗浄して回復しました。
マンション新築時に塗られたワックスがフローリングに対応しておらず,あちこち剥げています。キッチン足元の水が落ちる場所は特に穴だらけ。ワックスの黄変も加わって見苦しい状態。こちらも剥離洗浄でリセットしてからワックスを塗れば,気持ち良い反射が実現します。
カリン無垢材のフローリングです。濃い色でもカリンはいいですね。お客様が良かれと思ったお手入れが裏目に出て,べたべた剥げ剥げの状態。剥離洗浄して元の床を取り戻してから,お客様支給のAUROのワックスを塗りました。すべて自然の素材で作った安心安全のニスです。乾くまで時間がかかるのが難点ですが,非常に良い仕上がりになりました。これは塗りたてですが,乾くと光沢が落ち着きます。
剥離しただけの床です。マンションのフィルム系ノーワックスの床に,お客様がワックスを塗って管理されていました。剥離剤ではなく弱アルカリのピアではがせるほどの密着度。ノーワックスで良いのでは?
フローリングのことばかり書きましたが,クッションフロアにもワックスを塗りますよ。
フローリングの種類によって仕上がりは様々ですが,キレイに塗り上がった床は気持ちいいです。実際にうまく塗れたのですが,この写真は写りも良く,お気に入りの一枚です。(マウスを乗せても変わらない仕上がりのみの画像です)。
床のワックスがけをご依頼いただく場合
剥離洗浄が必要です。すでにワックスを塗ってある床を拝見すると,ほとんどの場合剥離洗浄が必要な状態になっています。ところがフローリングの剥離洗浄は大変気を使う作業で,手間も時間もかかります。目安としては,リビングと廊下,玄関の33平米ほどでワックスまで含めて1日がかりです。必要がないのに剥離する気はありませんが,良い仕上がりのために必要な時は遠慮せず提案いたします。剥離洗浄からワックスまでとなると結構費用がかかると考えて下さい。
家具の移動 ワックス塗りをする場合は,塗りたい部分の家具や備品を全て移動してから始めます。ほとんどの場合,最初に全部移動します。家具を移動しながらというのは能率と仕上がりの面からお勧めしておりません。床を洗っているときとワックスを乾かしている間はお部屋に出入りできません。大変ご不便をおかけします。家具の移動と復元は私どもがさせていただきますが,お客様が済ませておいて下さるとしたら大歓迎です。
温度と湿度 あまり寒いときや湿度が高いときはワックス塗りには向きません。エアコンやストーブを使えるとしても,作業している場所全部の温度や湿度をコントロールするのは難しいものです。自然には逆らえません。場合によっては作業が延期になることもあります。
硬化・乾燥に時間がかかりますし,単価も違いますが,耐久性が高いシリコンコーティングもご検討ください。
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床のキレイを長持ちさせるために
- 掃除機よりも先に
フローリング用のクロスやケミカルモップでのダストコントロールがおススメです。クイックルワイパーやダスキンのレンタルモップが有名です。お掃除を始める前に,床に置いてあるものを少なくして,なるべくお部屋を広くしてください。その後一筆書きにモップがけします。モップを前後させるのではなく,一つの面を常に進む方向にかけて下さい。掃除機の使用をなるべく少なくするように工夫して下さい。掃除機に頼ると,床がキレイなのに床より上のどこかにホコリがたまります。
- まずは水ぶきから
何かこぼしたとか,汚れに気付いた時は水ぶきから始めて下さい。洗剤を使ったり洗ったりするのは必要最小限にとどめて下さい。水や洗剤で落ちないものは,アルコールや塗料用シンナーを使えます。洗剤や溶剤は,床の汚れに直接スプレーするのではなく,まずウエスやティッシュにスプレーして,それで汚れを拭くという間接的な方法が安全です。
- 1年に一度で十分
靴を脱いで使っている室内のワックスはそれほど削れません。定期的にワックスを塗ろうとお考えの場合でも,1年に一度,あるいはそれより少ないペースで十分だと思います。
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フリーダイヤル
フリーダイヤル 0120-388-932 「さわやか クリンサーブ」と読む(照 を利用してもらえますが,最近はほとんど電話をとれません。
店長携帯に転送されるので,営業時間外はもちろん,作業中・運転中・休憩中の場合は出られません。また,質問に答えるにしても,メモを取るにしても不確実になりがちです。
そんなわけで,登録されていない番号からの電話には出ないことが多いです。
お手数をかけて恐縮ですが,やはりメールでのお問い合わせが確実です。
なかなかつながらない電話です 0120-388-932